少女機械人形コーパス 第一幕
なおも七々原は攻撃の手を止める事なく、ひたすらにヴィロネカートの肉を抉り続ける。
左文字
『細胞の再成率はどうなってる?!』
土方
『デーケルターレの攻撃による損傷部位の再生にも捕らわれているようで、再生速度は毎秒0,006%まで低下!』
尾ヶ崎
『ですが、このままいけばパイロットの体力の低下により、デーケルターレの攻撃がヴィロネカートの再生速度を下回るのは確実です!』
左文字
『七々原!』
七々原
「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
七々原
(コイツを倒して認められればっ! ミリカや紗香ちゃんはCエリアから出られるんだ! だから……だから俺はっ!)
左文字
『七々原! 一度退け! じゃないとお前が落とされるぞ!』
七々原
「俺が……殲滅してみせますっ!!」
左文字
『バカ野郎!』
尾ヶ崎
『ヴィロネカートの再生速度が上昇しています!』
土方
『……っ?! 嘘……!』
左文字
『どうした?! ――っこれは!』
土方
『毎秒2%まで上昇!完全体まであと8・7・6』
七々原
「させるかーーーーーーーーーーーーっ!!」
必死に攻撃を加え白い細胞を飛散させ続ける七々原。
だがどれだけ七々原が抉り取ろうと、ボコボコと白い細胞は沸き続ける。
徐々にその腕ごとヴィロネカートの肉の中へとデーケルターレは埋もれていった。
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文