少女機械人形コーパス 第一幕
<背景・廊下>
同日
午後07時10分
地底都市マヌス 第103通路
七々原
「俺が人類を救うデーケルターレパイロットだなんて、まだ信じられないッスよ!」
土方
「ふふふ。紛れも無い事実よ」
七々原
「うおー! すっげぇ〜〜!」
土方
「ふふふ」
土方
(人類を救う……ね……)
<回想・療養所 セピア>
12月7日
午後3時50分
コーパス療養所
饗庭
「………………!!!!」
土方
「あまりにも暴れるので、拘束させて頂きました」
野柳
「うむ。なる程。これだけ感情が奔出しているとなると、コアとしての再利用は無理だね」
土方
「どう致しますか?」
野柳
「処分しちゃってもいいけどね。名前も売れてる子だし、暫くはここに置いておこう。あまり暴れるようなら、薬の使用も許可するよ」
土方
「はっ。では、そのように」
饗庭
「………!! ……………?!」
野柳
「私はね、君という存在の中で唯一その声だけは美しいと思っていたんだよ。でも、残念だったね。もう君の声帯が音を震わす事はないだろう」
饗庭
「…?!」
野柳
「君は失敗したんだよ」
饗庭
「!」
野柳
「ジョエル君と仲良くするのはね、君の為でもあったんだよ。コアである君にとってもとても重要な事だったんだ」
饗庭
「……!!」
野柳
「確かに、急な事だったからね。当初より時間は大幅にカットされた。だが、結果が全てだ。そうだろう?」
饗庭
「………!!」
野柳
「さて。それじゃあ私は次のパイロットとコアの手配に取り掛かるよ。土方参謀、君も手伝ってくれたまえ」
土方
「はっ。では後の処理は部下にさせておきます」
野柳
「ああ。好きにしていいよ。もうコーパスには必要の無いモノだからね」
土方
「はっ。」
饗庭
「……!! …………!!!! ……………!!!!!」
<回想終>
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文