少女機械人形コーパス 第一幕
キュインッ!<SE有>
風を切り、白い球体はデーケルターレへと迫る。
ジョエル
「っく!」
モビリスレバーを力一杯に引き、辛くもジョエルはこれを避ける事に成功した。
白い球体は静かに浮遊している。
ジョエル
「こいつ……!」
浮遊していた白い球体は再びデーケルターレの元へと襲い掛かる。
キュインッ!<SE有>
ジョエル
「ハッ!」
再びこれを避ける事に成功するジョエル。
ジョエル
「なんだ……全然……大した事ないじゃないか……こいつなら……!」
ジョエルは少しばかり微笑むと、モビリスレバーを握るその両手に力を込めた。
左文字
『……こいつ、見えていないのか?』
野柳
『君もそう思ったかい。私もだよ。デーケルターレに迫ってくる割には、余りにも狙いがお粗末だ』
左文字
『だとすれば……』
ジョエル
「はあああああああああああっ!」
左文字
『?!』
デーケルターレは腐った大地を蹴り上げ、白い球体へと迫る。
ドゥンドゥンドゥンッ!<SEコーパス走足音>
左文字
『ジョエル!ダメだ!戻れ!』
ジョエル
「大丈夫です!こいつなら……やれますッ!」
ジョエル操るデーケルターレは白い球体の眼前にまで迫り、
その両腕を高く掲げ球体のヴィロネカートに振り下ろそうとしたその時、
キュインッ!<SE有>
ジョエル
「なっ?!」
眼前にまで迫ったデーケルターレを白い球体は正確に捕らえていた。
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文