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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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第四話「帰点 Retern Point」


9月5日午前8時50分
テロ集団『ぼくはブルガリア人じゃないよ』進入

「くそうっ!リッチーとロッテンバイヤーが殺られた!」「シイモト、フリムカナイノガヤクソクダッタロウ」テロ集団ブルガリアの誤算は、対雨用攪乱スプレーの効果が想像より芳しく無かった事だ。元々非合法の業者から手に入れた物であった為、泣き寝入りするしか無い。
生き残ったのは、3人だけ。「イイカ、シイモト、オレタチノソンザイハスデニヤツラモウスウスキヅイテイルハズダ」「解っています。速攻!」「その必要は無いわ」
椎本が背筋の凍る思いで即座に振り向く。一番見たくない顔がそこに在った。
「西陣織・・・!」「様を付けろ」西陣織は、しっかりと銃口を見据えて方眉も動かさない。
まるで彼女が引金を引く為にだけ生まれてきたかの様な、微塵の隙も無い構えだった。もし男達が僅かでも怪しい素振りを露呈したらこの女は躊躇いも無く撃つだろう。「わかったよ。降参だ。降参する。ほら、団長達も手を挙げて」「ブブルガリブルガリガリ」「・・・何て言ったの?」
椎本以外にはブルガリア語は雑音にしか聞こえない。「篠原ともえが無理してるって」
無論、出任せである。本当は西陣織に対する山の様な罵倒を述べていた。
しかし、篠原ともえの発言もそれなりに説得力を持っていたのでノータッチだった。
「しかし、西陣織、何で俺達の存在がそんなすぐに気づいた?」
「さっき関屋が発砲した時にその銃声が無線機からも聞こえてきたのよ。それですぐ近くに居るって気付いたの」「・・・まったく、葵のヤツは俺の想像のいつも一歩先を行きやがる。いきなり撃ってくるか?っつうの」「フフッ、あんたそこに惚れてるんでしょ」「・・・」
椎本は何も有効な反論をする事が出来なかった。

同日午前9時2分
『ぼくはブル(略)』進入から12分後

その頃家の中では、五十六と葵二人、今年の紅白談義に花が咲いていた。
「はい。それじゃあここで焦点になるのが慎吾ママです」「赤組で出るとか言ってますねぇ」
「そう。SMAPは出るとしてだ。一曲限りでも話題作りで出るだろうか?」「マヨチュッチュですからねぇ」
「まあ何と言ってもオーロラ輝子の例もあるNHKだ」「確立は五分五分といった所でしょうか・・・?」