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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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「ああ、団長、有難う御座います・・・。行きますか」「アノ、アオイトカイウムスメ、オマエトナニカカンケイアルノカ?」「許嫁でした。もっとも親が決めた事だったんですが」「・・・」「それでも、俺のこの気持ちに嘘は一つも無かった。あいつの父親の事は、事故だったんです。でもあいつは俺が殺ったと思っている」「・・・シゴトニシジョウヲハサムナ。エルガー、リッチー、ロッテンバイヤー、ソシテシイモト。
イクゾ。クルマノナカニハプリンチョヲタイキサセル」「目的は、西陣織家の制圧。家をこじ開けるのにはこのバールを使え。まず裏口から入って全員に奇襲を仕掛ける。何しろこの雨だからな。
いくらオールウェザーとは言っても発煙筒のタイムリミットは持って3分てとこだ。いいか、絶対にどんな事になろうと、振り向くな。誰かの為に死ぬ必要は無い。ブツはしっかり塗ったな?行くぞ!」
ライトバンの扉が乱暴に開かれる。中から、全身武装した集団が現れる。手には、金管スプレー状の物体を握り締めて。いや、只一つ剥き出しとも言える所があった。そう、何故か真っ白な顔面。
一方その頃全警備員はマスコミの対応に、現場から今度は1km離れた所で当たっていた。
そのせいで、本部前は余りに手薄な警備だ。ブルガリの連中は家に向かって全速力で走りながら目で合図しあった。「シイモト、ナゲルゾ!」「ああ、やっちまおう」 もう、振り向かない。振り向かない。
団員の手元から一斉に筒状のものが投げ放たれる。それが着地するとほぼ同時に、噴煙を吐き出したものだから幾ら百戦錬磨のSATも慌てふためいた。ゴホ・・・ゴホと咳き込む声が所々から聞こえる。だが、それでも何人かの勇気ある者が銃を構え白い噴霧の中に乱射する。
手応えがあったような、無かったような。とにかく霧が晴れたのはその3分後だった。
「管理官・・・!2人に命中しました!白い顔面の連中です!」「白い・・・顔面?」「はい!ヨーグルトです!顔にヨーグルトを塗ってました!」「・・・まさか、ブルガリアヨーグルトか?」
「仰せの通りです!」霧が本格的に晴れた時には、既に残りの連中は家に侵入した後だった。
管理官は、歯軋りをせざるを得なかった。二つの死体の上のヨーグルトを雨が洗い流した。

同日午前8時50分
テロ集団『ぼくはブルガリア人じゃないよ』
民家に進入。

つづく