【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】
「全警備員に作業させている最中です」「徹子の部屋映画化は?あるんですか?」
「ジョージルーカスがやりたい、と言ってきました。ゲストはキアヌリーブスで制作費2億円です」
警察は勿論嘘を付いている。現にSATは既に現場待機しているし、電話線は西陣織が切断している。
コージーにもユースケにも志茂田景樹や徹子にも実は何も持ちかけていない。
これは、犯人もテレビを見ている事を前提に犯人の神経を逆撫でしない為に取られた措置だった。
全て、プーチン一人ならいつでも突入して解決できる、との判断からの措置である。
何故なら、プーチンが拳銃を携帯しているなどとは夢にも考えていなかったからだ。それだけに、このすぐ後に起きた出来事は警察を驚愕と絶望の闇に突き落とすことになる。
ダウンッ。
一発の銃声が聞こえてきた。と同時に西陣織家の壁を突き抜けて銃弾がマスコミ各位の座っている
パイプ椅子に直撃し、甲高い音色が響いた。マスコミの関係者誰もが実際に聞くのは初めてだった。
故に、その銃声の音が自らの生命の危機を意味する事を理解するのに、時間が掛かったのだ。
「たっ、たっ、助けてくれぇ!!」カメラマンの一人が矢も楯も堪らずに逃げ出すと、
マスコミ一同は堰を切ったように我先に逃げ出した。押し合い圧し合い、以上なまでの速さで全員報道車へ避難した。この模様は当然、テレビで全国に生中継された。
「はい、ちょっと放送事故がありましたが、次はピーコのファッションチェックのお時間です」
幾ら発砲事件が起ころうが、これだけは変わらなかった。
同日午前8時35分
共同記者会見、そして銃声の5分前
「西陣織先輩!」「どうした?」「変な電波が・・・警察以外から掛かってきてます!」
「出してみろ」「ザー・・・ザッ・・・こちらはぼくブリガリア人じゃないよ・・・応答せよ・・・こちらはぼくブル」
「こちらプーチン。電波を受信した」「ザザッ・・・いつからお前はプーチンになった」「椎本!」
作品名:【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】 作家名:砂義出雲