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ぐるこさみん
ぐるこさみん
novelistID. 10840
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パクリ??

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「・・・んじゃ、ちゃんと迷子にならないで教室まで行くんだぞ?分かったな?」

 学校の校門前にて、俺と颯希は別れのあいさつを交わしていた。

「うん!サツキ、ちゃんと先生のいうことも聞くよ☆」

「いい子だな颯希は♪」

 俺がポン、と颯希の肩をたたくと、颯希は一年生の昇降口の方へと消えていった。

                 ※

 さて、時は変わって入学式。いよいよ待ちに待った……
 
 我が家のアイドル颯希ちゃんの入学式です☆

「ん、っと・・・ビデオビデオ・・・・・・」

 生徒席で、俺は三脚にたてたビデオの位置を調整していた。だって颯希の晴れの舞台だ
から、完璧に撮らないといけないからな。

「よし・・・」

 ビデオの液晶画面を開く。そこには、バッチリ舞台がうつっていた。

「完璧すぎる・・・」

 思わず自己満足なため息がこぼれおちた。そして俺はゆっくりと髪をかきあげ、片手で
メガネを掛け直した。

 その直後。

「おい夕月てめぇ何考えてるんだッ!」

 ごつい男の怒声が飛んできた。

「・・・?」

 嫌な予感がしたが、ゆっくり振り返る。

「誰が生徒席にカメラ持ってきていいなんて言った?」

 そこには、入学式にもかかわらず赤いジャージに首に笛を掛けている、超熱血体育教師、熱岡(ねつおか)が周りの空気+3℃の空気をまとい立っていた。

「・・・・・・もしかして、先生は知らないんですか?」

 俺は知らぬ間に、涙目になっていた。ここで、熱岡にビデオを取りあげられたら、颯希の晴れ舞台が取れなくなってしまう!何があっても、それだけは絶対に避けたい!!!!!!!!!!

「・・・何をだ?」

 熱岡は、涙目の俺に首をかしげていた。

「俺の妹が、今日入学するんですっ!!それで、両親が入学式に来られないから俺が妹の
ことをカメラで撮っておけ、って頼まれてッ・・・!!
 やっぱそれでもここで撮っちゃダメですか?」

「おお、今日はお前の妹さんの入学式か!おめでとう!!でもな、ここで撮っちゃだめだ。代わりに先生がお前の妹を最高に熱く撮って来てやる!さぁ、夕月、カメラを貸してくれっ!俺は今、熱いんだっ!さぁ、貨せ!!!」

 ・・・熱岡の剣幕はものすごかった。

「はい、じゃぁ撮ってきてください・・・お願いします・・・」

 そして俺は、熱岡の迫力・・・ってかむさくるしさに負けて、彼にカメラを渡した。


作品名:パクリ?? 作家名:ぐるこさみん