自由詩まとめ
二編目 にいさまといもうと
にいさまにいさま、おにいさま。
私はお人形ではありません
可愛いおめめもありません
金の巻き毛もありません
細い手足も愛らしいほっぺもありません
だけど嫌いにならないで
あぁ、可愛い妹よ
誰が嫌いになるものか
その真っ黒い瞳と髪も
白雪のような肌も
林檎のように色づく頬も
全部が全部愛らしい
愛らしい我が妹だ
にいさまにいさまおにいさま
私は子犬ではありません
にいさまを追っ掛けられる強いお足も
にいさまを庇う勇敢さもありません
にいさまの為に振る可愛いらしい尻尾もありません
だけど嫌いにならないで
あぁ、可愛い妹よ
誰が嫌いになるものか
毎日の土産話を聞いて輝く瞳も
ひとつも聞き漏らすまいとピンと張る背も
よちよちと後を追って来る可愛いらしい足音も
全部が全部愛らしい
子犬より愛しい我が妹だ