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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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インビンシブル<Invincible.#1-1(1)>

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-エリシア海 上空 サゴン海峡 ウォルターナー諸島沖-
(グアマ天文台標準時0852)
<C-25輸送機 機内>

「まったく、アホかあいつら。チュ~だのケツだの、お遊び気分で・・・。
戦闘中なんじゃぞ」
輸送機のパイロットシートで無線の内容を聞いていた、
立派な口ひげを蓄えた初老の男性。
ノーチラス技術班長、ギア・キスキンス特佐は呆れまじりにいった。

 先日、セイボリック重工がリィオンシリーズの新型後継機を完成させたという。
当時、高性能と謳われていたライオン・ハートこと
ドレッドリィオンも、ロールアウトされてからすでに8年。
基準から言えば、ライオンハートは規格外のスペックを持つ
モンスターマシンではある。
されども、テクノロジーは日進月歩で進化している。
 時代と共に進む技術の変化に対応するため、アビオニクスの換装と
パーツの改修で近代化を図ってきたが、流石に最新鋭の
第3世代型AAと比較すれば技術面・構造設計・拡張性において、
もはや旧式と言わざるを得なかった。
エースにはその名に相応しく、新しく強い翼が必要だ。
その為の新型である。

 件の新型を受領するため、ギアはノーチラス本隊とは別行動を取っていた。
ラダム大陸北東部とガレフ大陸南部を分け隔てるサゴン海峡。
その海峡の間に浮かぶ、ウォルターナー諸島へと向かっていた。

 先日、USV(バーナ地球移民星団連邦)が
ナタルジャ経済連盟の宗主国であるアラフマード
連邦首長国に対し宣戦布告を宣言した。
ナタルジャ経済連盟に名を連ねる国々の幾つかは、
USVと半ば同盟関係にあったが、その関係を揺るがす外交上の
問題が講和を見ずに決裂したのがことの発端である。

 インパルス国際講和機構”APU(蒼星恒久平和維持機構連盟)”
議長国であるエアリアル皇国は、第6空戦連隊ノーチラスを派遣。
同隊は、USV空軍が攻撃対象にすると宣言したアラフマードの
港湾都市、ラサンバニの沿岸沖周辺を警備する任務に当たっていた。
ノーチラスの任務はUSV軍のラサンバニ進行を阻み未然に防ぐ事。
 今次作戦がなければノーチラスは新型の受領を行うため、
セイボリック重工ウォルターナー諸島支社へと寄港する予定のはずだった。

 エリシア海洋上で網を張っていたノーチラスは、
目論見通りラサンバニへと向かっているUSV空軍所属の
航空重巡洋母艦ディスカッションとアルミラージュの二隻を補足した。
 被撃退対象である彼らを発見したノーチラスは、
アラフマード領空への侵入行為を警告。
USV艦隊に空域からの退去を呼びかけた。
だが、USV艦隊はその警告を無視。

 ディスカッションはラサンバニへの進路を維持したまま航行を継続。
残るアルミラージュが突如、ノーチラスの進路上に立ちふさがり、
攻撃態勢をとって来た。
これを受けてノーチラスは、抗戦の意志を見せたアルミラージュを
無力化するべく部隊を展開。
戦闘が始まったのはギア達が出発した数十分後のことであった。