命の時計
おまけ
~カットしたシーン~
あるビルの上で一人の男が20歳ぐらいの若者たちに向かってこんなことを言っていた。
「金はな……命よりも重いんだ!!」
8年5日3時間4分10秒……9秒……8秒……
彼の胸の時計を見る。
彼の寿命の短さを実感しながら聞くと非常に説得力があった。
若者たちは少しだけ納得した。
その男が数時間後、熱された鉄板の上で会長に向かって土下座をしていた。
土下座を終わった後も男の時計は時を刻んでいた。
4年4日4時間4分7秒……6秒……5 秒……
それを見ていたその場にいる人間全員が彼に若干の同情を抱いた。
ただ一人、会長を除いて。