7月17日
夏が来たと気づくには、十分すぎるくらいの大合唱で。
何をしなくても汗ばむ時期に、精一杯に体を張った大合唱で。
たった1週間の命では、それでも続けなきゃ駄目で。
自分を残すための、きっと切実な願いをもって。
何かに命をかけている蝉が羨ましくて。
何にも命をかけられない自分が死ぬほど嫌いで。
ひたすら一生懸命に鳴き続ける蝉が妬ましくて。
一生懸命な何かに嫉妬する自分に罵声を浴びせて。
7年耐えて7日のチャンスに生きた証をかけて。
いつでも在るチャンスに何もすることも無くて。
いっそ自分も余命1週間になったら死ぬ気で何かできるかって思って。
残り7日の妄想をしながらカレンダーを見たら、今日は7月17日で。
世界から「無いな」って馬鹿にされたような気がして。
また怠慢だらけで8日後を迎えるんだと思った。