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ナイフ

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      第2話
        「再会」


「紗江!?」

「あっ!やっぱり姉さんだ!。久しぶりだね!。」

「あんた・・・。一体今まで何処に行ってたのよ?」

「ん?あぁ、色んな所。」

「皆・・・皆、探してたんだよ!如何して・・・・如何していなくなっちゃたりしたの!?」

「ごめんね、姉さん。辛い思いさせちゃって。」

「もうひとつ聞いていい?。」

「何?」

「最近続く“連続殺人犯”ってアンタの事?。」

「・・・・そうだよ。」

「何で!?何で人を殺すの!?罪の無い人を何人も殺して!。」

紗江の言葉に、私は思わず大声で反論してしまった。
周りが起きないかと心配したが起きなくてホッとした。

「ううん。私も無差別に殺してる訳じゃない。」

「何処が違うって言うの!?。」

「私が殺しているのは医療犯罪や殺人者。何らかの罪を犯している人だけだよ。」

「でも、あんたが今やっている事は人殺しと変わらない。それが例え犯罪者でも!」

「・・・そうかもね。でも・・・でもね、思い返してごらん。
この世は犯罪者で溢れ、荒み、汚れている。
・・・何人も人を殺しても捕まらない犯罪者。捕まえてもそれを裁けない裁判官。
それらの所為で人々は怒りと憎しみが膨れ上がり、人を殺し、怒りと憎しみを生む。

自分が幸せを掴むために犯罪を犯しているのに自分はそれが怒りと憎しみを生んでいるという事を気付かない。
何回も何回も生んでいるのに気付かない。 人間はなんて愚かなんだろう。そう、思ったことは無い?。」

「・・・(確かに・・・紗江の言っている事は正しいかもしれない。実際に、これまでの犯罪率が3割減少した。
もしかしたら、紗江はこうなる事を予想して?・・・・でも・・・。)

  でも、私に話してもいいの?私が全て他の人に話したら、全て終わっちゃうんだよ?。口封じでもしない限り・・・。」

「・・・・確かにね。でも、姉さんは殺さない。だって、私の唯一の身内だから。
黙ってさえしてくれれば殺さない。」

「でも、喋っちゃうかもよ?全て・・・。そうしたら、さっきも言ったけど終わっちゃうんだよ?。」

私の言葉に対して紗江は、少し顔を暗くして言った。

「そうかもね。そうしたら全てが終わる。警察に捕まって、何年後に此処に来れるか分からない。
むしろ、一生出れないかもしれない。そしたら唯一の身内の姉さんにも、会えない。」

「!!・・・(会えない?せっかく会えたのに、捕まったら会えない?・・・そんなの嫌だ!!)」

   ガシッ!

私は紗江の肩を掴むと、ただ、一言、言った。

「入れ替わろう。」

「!!」

その言葉に驚いたのか、紗江は訳を聞いてきた。

「言葉の意味さ、入れ替わるんだ、私達2人を。紗江は私に、私は紗江にってね。
それなら紗江も苦しまなくてすむし、勉強もできるしね。」

「そ・・・それじゃぁ、姉さんは!?姉さんは如何なるの!?。」

「・・・・いいよ、別に。これが紗江の為になるなら、これでいい。」

私がそう言うと、紗江はさっきと同じように顔を暗くして「分かった。」と言った。
そうして私は作戦を紗江に言った。
私の作戦は、大胆に言うと、二人が入れ替わるというもので、私が紗江の犯罪を引継ぎ、紗江は私の代わりに学校へ行き、
勉強して、僅かだが普通の生活を楽しんでもらおうと言うものだった。
だから、私が通っている高校の勉強が出来なきゃ意味が無い。
だから、勉強を教えた。最初は、朝までかかると思ったが紗江は思ったより飲み込みが早く、3時間で殆ど終わった。
私は正直、凄いと思ったが、そこが紗江の特徴では仕様が無い。このまま勉強を教えることにした。

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~翌日~

結局、深夜3時に全て片付き、7時に紗江は学校に行った。
でも、これで終わりじゃない。
むしろ、始まったと言うべきなのだ。
そう、これから始まる。

私達の・・・命を懸けた戦いが!!!



                   続く

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作品名:ナイフ 作家名:霧.