いん・たー・ねっと
ふみこんだ。
“ぱそこん”。
新しいもの好きな私は、冬休み中の学校に忍び込んで、“ぱそこんるーむ”の
製作現場を見てきた。
とはいえ、人はいなかった。年末だし。
ビニールに包まれたコード類とか、梱包用のプチプチやらが転がっていて、
ぱそこんるーむになる部屋の壁ができていた。そこの壁だけ真新しかった。
その足で図書館へ向かった。
図書館には“ぱそこん”がすでに設置されていた。
調べ物ができるらしい。どういう仕組みなのだろう。
貸し出しカードを受付に出して、ぱそこんを借りてみた。
昔何度か、叔母さんが触っているところをみたことがある。
その記憶のとおりに、マウスやキーボードを触ってみた。
これは、なんなのだろう。
本当によくわからない。
情報を集められるようなので、そのとき好きだったゲームの名前を入れてみた。
そうして初めて見たサイトは・・・攻略情報が、たくさん載っていた。
なぜ、攻略本よりも詳しくて、分かりやすいのだろう?
なんで、こんなに、感動したのだろう?
そこには「掲示板」というものがあった。
どうやらそこにコメントを書き込んで、話ができるようだった。
私は、返事なんかこないだろう、こんなの、と思って、はじめまして!とか
初めてここにきました、とか、すごく楽しいサイトですね!とか、書いた。
次の日、また図書館へ行ってみた。
あの「掲示板」をもう一度見た。
そこには、「管理人」さんからの「お返事」があった。
わたしの、ことばが、だれかに、きいてもらえた・・・
だれか、しらないひとと、おはなしが、できた・・・
へんじが、きた。
そこで何か、わからない感情ができた。
なんなのだろう。
あとで分かったがそれは「うれしい」という気持ちだった。
・・・そうして、パソコンとインターネットの楽しさを知ってしまった。