夢現の世界
しばらく二人の押し問答をニヤニヤしながら眺めていると、クラスにいた女子達が黄色い声を上げた。だれが入ってきたのかすぐにわかった。キョウジだ。緊張をした僕をみて、キョウジはさわやかな声で挨拶を僕らにした。それで僕を通りすぎるとき、誰にも気が付かないように何かを僕のポケットの中に入れた。
授業中にポケットの中に何が入っているか見た。四つに折りたたまれた紙の中だった。紙には「例の事覚えていたら、放課後屋上に来てくれ。」
こうして僕の日常は一変する事になった。でももう後戻りはできない。そんな漠然とした予感を感じながら、またチョークを投げられないように授業を聞く事にした。