俺とお前の風邪の治し方
「熱」
いつもより気怠い
熱い体が身動きすらとらせてくれず
床に縫いつけられたように重い
じわりと瞼の奥が熱い
流れた水は耳へと入り
不快感が脳にわく
わずかに身じろぐと頬にあたたかなものが触れる…
大きなあなたの手が頬を撫でて
薄く目を開けると涙でぼやけた視界の中に柔らかく微笑むあなたの優しい目が見えた
近づいてくるあなたの顔に目を閉じる
額に押し当てられた感触にふっと笑いがこみ上げる
「熱はまだ少しあるな…?なんだよにやにやして」
「あはは…てっきりちゅーしてくれるんだとばっかり」
「ばかかっ////////」
照れたあなたのが熱病患者
作品名:俺とお前の風邪の治し方 作家名:寅蠍(タケカツ)