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彼岸坂稚弥
彼岸坂稚弥
novelistID. 11356
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46度ずれた兄妹と、0度の世界

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 そうすると、自動的に雅弥の部屋からはマシンの起動音が微かに聞こえ、チカチカと人工光が瞬いた。
この家の各所にあるスイッチは雅弥の自作で、何処に居てもパソコンの電源を入れれる仕組みになっている。
 因みに、仔鞠は余り詳しい方ではないから触れたことすらない。
「いっちゃんー。おにーやん、本当寝てないから先に有給あげよーよー。おにーやんならその気になればちゃっちゃか出来ちゃうんでしょー?」
 仔鞠の珍しいお願いに、袖を引っ張られた衣鶴は目を丸くすると、殺人犯さながらの目を泳がせる雅弥を見やってから仔鞠に向き直った。
「…だね。仔鞠ちゃんは相変わらず雅弥思いだねー。なんであんなのにこぉんな可愛い妹が出来たんだか、歴代の学者でも解明できないわー」
「そんなんじゃないよー。だって、じゃないとおにーやん今すぐにでもいっちゃんのパソコンにすんごいウィルス送りそうなだけだよー」
 えへえへ、と照れたように笑う仔鞠の台詞に衣鶴が思わず固まると、仔鞠の台詞を聞いていた勇人は何とも言えない唸り声を上げた。
 勇人の目線の先には起動されたカウンターの上のパソコンを弄る雅弥の姿。
ぱっと見た限りだと、何処にも異常がない極々普通の風景に見えるけれど、『普通に見える』事が異常なこの兄妹ではそれは至って異常だった。
「…なぁる程…確かに今の先輩だとやりかねないな…」
「でしょでしょ? おにーやん、目が完全に座ったもんね。だから真夏の炎天下にお外出ちゃ駄目だってのにね。全く」

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取り敢えず、修正し終わったところまで。