若返りの泉 TWENTY
20 天神さんと和太鼓
7月24日25日といえば天神祭。
コンコンチキチンコンチキチン である。
福島というところに住んでいた。近くに福島天満宮があり、そこの幼稚園に通っていた。園児たちは神輿を担ぐ。
夕方になると、境内から周辺の道路には多くの屋台が並び、我が家の近くまで200メートルほど屋台は続いていた。夜遅くまでにぎわい、子供の夜更かしも公認だった。
父と行くと植木
母と行くと手相見
姉と行くと射的やたこ焼き
私はウナギ釣りと金魚すくいが好きだった。
中学生となると友達とつるみ、花火を買って公園で楽しんだ。
神社の境内の一隅にやぐらを組んで、その上で鉦や太鼓を打ち鳴らしていた。
コンコンチキチンコンチキチン コンコンチキチンコンチキチン
毎年太鼓を打っていた少年は、私より2歳下で、兄と時々つるんで遊んでいた子である。
汗を滴らせながら楽しそうに打っている姿を、うらめしい気持ちで長い間ながめていた。
現在、私は和太鼓を打っている。6年目になる。
子供たちやそのお母さんたちと練習に励んでいる。リズムがなかなか覚えられない。からだを思うように動かせない。しかし、目標を持って太鼓を打つのは楽しく、さっぱりした気分になる。仲間との掛け合いでひとつになれた時、充実感がわいてくる。
いろいろなところで演奏する機会もある。見られるとやりがいを感じる。
まだしばらくは、太鼓を打ち続けているであろう。
トコトコドンドンドドーンドン。
作品名:若返りの泉 TWENTY 作家名:健忘真実