小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
律姫 -ritsuki-
律姫 -ritsuki-
novelistID. 8669
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

君ト描ク青空ナ未来 --完結--

INDEX|85ページ/159ページ|

次のページ前のページ
 


46

ノックの音がかすかに聞こえたような気がした。
「樹?大丈夫?」
ドアが開く音とともに、敦也の声。
押さえつけられた体はそのままだけど、口は離された。
助かった、と思った。

「敦也、邪魔しないで」
樹が敦也のほうを見もせずに、言った。
そして答えが返ってくるまでにはしばらく時間がかかる。

「わかった。でも右手はあんまり動かさないようにね」
わかったって・・どういうこと?

「敦也さん・・?」
敦也のほうを見ても、目が合うことはない。

「外にいるから」
それだけ言って、また外に出た。

「残念だったね。大好きな敦也からも助けてもらえなくて」
服のすそから、手が入ってきた。
「やめてくださいっ・・!」
必死でソファから逃げようとするけれども上手く行かない。
「大人しくしてればちゃんと気持ちよくしてあげるくらいはするよ」
服の中に入ってきた手が胸を撫でる。
「や・・だ・・・!」
自分の体を人に触られるのが嫌だ。
必死で暴れるけれども、自分より一回りも大きい相手はびくともしなかった。
「ここで感じないの?」
胸の突起を指でつままれて、弄られてる。
「やめてくださいっ・・!!」
「何も感じないってことは本当にしたことないんだ?」
ずっとそこだけを弄られて、嫌でも意識はそっちに集中してしまう。
「少しやりなれれば結構感じるようになると思うんだけど」
逃れようともがくにも苦しくなってきた。
「そうやって大人しくしてればいいのに」
目を閉じたまま胸の突起を弄られ続けていると、だんだんと自分がどういう状況だかわからなくなってくる。
この人が言うように、触られると本当に変な感覚が湧いてくるような気もしてくる。
「少しはくるようになった?」
ぎゅっと爪をたてて強く摘まれた。
「・・っ・・!!」
痛みに声をあげると共に、変な感覚が体の中を駆け抜けた。
「苛められるの好きなの?」
樹の片足が空流の足の間に入る。腿で空流の足の間を上下に擦る。
「・・やだっ・・!」
経験したことのない感覚に気持ちの悪さが全身を支配する。
逃れようとまた必死にもがくけれども、それは叶わない。
「あばれないでって言ってるでしょ。優しくしてあげてるんだからさ」
「やだ・・・やめてください・・・!」
「俺を拒むんなら、また倉庫の中でしばらく暮らすことになるよ?」
極寒と灼熱しかない地獄と、人に身体を弄られる気持ちの悪い感覚。
天秤にかけるなんて無理。

「誠司・・さん・・・」
頭に思い浮かぶのは、助けてくれた人。

もう二度と会えないかもしれない。
でも大好きだった・・・大好きな人。

呼べばまた助けに来てくれるような・・・そんな気がしてた。

「空流、呼びましたか?」

そう、優しい声でそう言って・・・苦しいときには手を差し伸べてくれる・・・あなた。
確かに、その声が聞こえた気がした。


第二部 FIN