喫茶店(コンセプト・仮題)
街角の喫茶店は、今日も高校生で賑わっていた。店は小じんまりとしていて、マスターも、うるさくない程度にフレンドリーだ。そんなこんなで、今日も女子高生が集まっていた。
「という設定はどうだろう」
「……マスターさあ」
マスター自身、この発想に穴はないと思っていた。人間という生き物は、大きな波に流されやすいものである。特に日本人となればその影響は計り知れない。
「だからといって、デジタルフォトフレームで窓ガラス埋めて、いっぱい人いるよアピールとか」
「だって寂しいんだもん」
フォトフレームの写真はマスターの好きそうなムチムチ女子高生である。しかも二次元。
「スピーカーでがやがや感を演出するとか」
「賑わっている方が楽しいじゃん。毎日コーヒーしか飲まない客しか来ないし」
「マスターがセクハラするから来れないんだよ」
連れてきた友達は、百パーセントの確率でこのマスターの口やら手やらコーヒーカップの取っ手やらの被害に遭っている。ちなみにマスターの持つコーヒーカップはマスターの体の一部と化す。私は密かにそれを、『秘技くねくね取っ手』と呼んでいた。
「とにかく、セクハラやめたら定着するんじゃないかな」
「うーん……」
「そこ悩むのかよ!」
本気で頭を抱えている。もうこれはダメである。精神科に連れて行くか警察に連れて行くかの二択である。そうこうしていると、普段二回しか聞かない、入り口のドアのベルが鳴った。
「ごめんくださいー」
「え?」
「え?」
「なんでそこ驚くんだよ!」
「いやだって入ると思っていなかったし」
「じゃああんなのやるなよ!」
「あのー」
二次元のフォトフレームが埋め尽くされた恐ろしい喫茶店に入ってきた少女。私も驚きである。驚きのおかげで、まだ開けた口を閉めることができない。
「という設定はどうだろう」
「……マスターさあ」
マスター自身、この発想に穴はないと思っていた。人間という生き物は、大きな波に流されやすいものである。特に日本人となればその影響は計り知れない。
「だからといって、デジタルフォトフレームで窓ガラス埋めて、いっぱい人いるよアピールとか」
「だって寂しいんだもん」
フォトフレームの写真はマスターの好きそうなムチムチ女子高生である。しかも二次元。
「スピーカーでがやがや感を演出するとか」
「賑わっている方が楽しいじゃん。毎日コーヒーしか飲まない客しか来ないし」
「マスターがセクハラするから来れないんだよ」
連れてきた友達は、百パーセントの確率でこのマスターの口やら手やらコーヒーカップの取っ手やらの被害に遭っている。ちなみにマスターの持つコーヒーカップはマスターの体の一部と化す。私は密かにそれを、『秘技くねくね取っ手』と呼んでいた。
「とにかく、セクハラやめたら定着するんじゃないかな」
「うーん……」
「そこ悩むのかよ!」
本気で頭を抱えている。もうこれはダメである。精神科に連れて行くか警察に連れて行くかの二択である。そうこうしていると、普段二回しか聞かない、入り口のドアのベルが鳴った。
「ごめんくださいー」
「え?」
「え?」
「なんでそこ驚くんだよ!」
「いやだって入ると思っていなかったし」
「じゃああんなのやるなよ!」
「あのー」
二次元のフォトフレームが埋め尽くされた恐ろしい喫茶店に入ってきた少女。私も驚きである。驚きのおかげで、まだ開けた口を閉めることができない。
作品名:喫茶店(コンセプト・仮題) 作家名:へら