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倒れこみながら思考はフルスロットル。やっぱり、献血した血をピンポイントで使うなんて不可能だ。殴られたおかげか変に冴えるぞ今日は。
振り貫いた拳を腰に当てていつもの様に傲慢に一言言うかと思ったら、お腹を庇うように押さえてた。いつもの攻性を示さず庇う様な体勢。
多分鼻血が出てるのを抜きにしてもマヌケな顔をしたと思う。多分それが言いたかった事じゃないかと。

まさか、でも多分これで正解。

否定したい自分がいることに驚いた。
「どんな気分だ?」
それは殴られた痛みに対してなのかそれとも・・・
風が吹く。鼻を押さえしゃがんでいるボクが見上げる先には夏服姿のカオル。しかし逆光でその表情はよく見えない。
「めちゃくちゃ痛い」
あえて気付かないフリ。
しかし、その反応には答えずカオルはその先を言った。
ああやっぱり……
作品名:ブラッドリンク 作家名:浅日一