コンティニュー
Q4
「コンティニュー、する?」
雨が降り続いている。もはやカタナの死体から血は完全に洗い落とされた。準備は整いつつあるのだ。もう1分と待たずに、カタナの死体に刻まれた深い傷も跡形もなく洗い流されて、"なかったこと"になる。失うのは、ここまで積み重ねてきた記録、零と壱の行列が織り成す膨大なプレイデータ、キャラクター=カタナの情報だけ。膨大な時間が積み重ねられたはずのそれさえも、瞬きするほどの間にすべて洗い流される。
ただ望みさえすれば、次の瞬間にはもう一度、零から始められる。白紙からの新規作成も、ほんの半刻前の続きからでも、自在に。
世界の母にして唯一の女王であるシオンに願えば、それは叶う。