影響された世界にて
「この世界は、もう終わりだわ!!!」
野原で仰向けになっているピスは、そう叫んだ……。ウォーへの言葉ではなく、独り言だった。
「……終わっているのは、おまえの頭じゃないのか? やれやれ」
ウォーは、苦笑いしながら言うと、村へ戻っていった。
野原にポツンと残されたピスは、仰向けになったまま、青空を見上げている。雲の無い美しい青空だが、彼女は何も感じなかった。
「やれることをやるしかないわね」
彼女はそう呟くと、起き上がる。
野原に立った彼女は、村のほうを見る。寂しそうな表情が浮かんでいた。
それから少しすると、気持ちを切り替える様子を見せた。そして、どこかへ向かって、精一杯に駆け出す。彼女に踏まれた花が、花びらを舞い上げた……。