俺には、家庭教師がいる
次の水曜日の夜。
いつもどおりに家の呼び鈴が鳴らされるのを待つけど、気持ちはいつもの何倍もドキドキしてる。
腕にはこの前もらった腕時計。
確かにちょっと大人っぽいけど、つけてみたら意外と似合うなんてことになるかもしれないから。つけたところを和生さんに見てほしい。
この前の日曜日は結局あれから何も起こらなかった。
あんまり思い出したくないけど、寝ぼけながら『入れないの?』なんてストレートのド直球に聞いた記憶が、なきにしもあらず・・・。
返ってきた答えは『ヒロがもうちょっと大人になったらね』だった。
家の呼び鈴がなる。
それから一人分の階段を上がる音。
部屋のドアがノックされて開けられる。
「ヒロ、こんばんは。あ、その腕時計してくれてるんだ。自分であげておいてなんだけど、やっぱまだ似合わないねー」
「してれば、似合うようになるかもしれないだろっ!」
「はいはい、でも家の中でまでしてなくったっていいよ」
「慣れるためだよ!」
我ながら結構苦しい言い訳と思うけど、どんなウソをついたってすぐにばれるんだ。
本当は早く大人になりたいから。
大人がつけるものを身に着けてれば早く大人になれるような気がしたんだ。
そう思ってると、その心を読んだみたいに和生サンが頭を触って
「あわてなくてもいいよ」
と言う。
でも、早くこの腕時計が似合う大人になって、和生サンと対等な位置に立ちたい。
あわてなくてもいいって言われても、それだけは譲れないから。
すぐに大人になって、和生さんを見返せるくらいの男になってやる。
だけど、こんなこと考えてるなんてもちろん絶対に秘密。
fin
お付き合いありがとうございました!
ツンデレ高校生が頑張る話という紹介は果たして正しかったのかw
騙された、と思った方はすみません;
よかったら、他のも覗いていってください^^
表紙絵はお友だちの柏木イチさんが書いてくれましたvvv
本当はもっと大きい絵があるのです!大きい絵は微妙に本文ともリンクしてます!
pixivに上げてくれたそうなので、ぜひ見てくださいっ!
http://www.pixiv.net/member.php?id=1155215
もらったとき、テンションMAXになったくらいステキです~vv
作品名:俺には、家庭教師がいる 作家名:律姫 -ritsuki-