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Pure Love ~君しか見えない~

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 車に乗り込むため、夜の街へと消えていく幸と修吾を、和人は静かに見つめていた。見ているだけで胸が熱くなるほど、幸と修吾は似合いのカップルだった。微笑ましいと思いつつも、和人の中で幼馴染みが離れていく悲しさは、いつの頃から芽生えたまま、ずっと心に圧しかかっているようである。
 和人は小さく笑って溜息をつくと、駅のほうへと歩き出した。すると、ふと何か気に止まって、幸のほうを振り返った。しかし、すでに二人の姿は見えなくなっている。急に和人は寒気に身を震わせた。妙な悪寒に首を傾げながらも、和人は駅へと向かっていくのだった。

「窓、開けていい?」
 運転をしながら、修吾がそう尋ねた。幸が頷くと、修吾は運転席の窓を開ける。
「ああ、風が気持ちいいな」
「修吾……顔、赤くない?」
「本当? ちょっとしか飲んでないんだけどな……」
 修吾のその言葉に、幸は目を丸くした。
「ちょ、ちょっと、修吾! 運転するのに、お酒飲んだの?」
「二、三杯だけだよ。ほら、トイレに立った時、カウンターにあったワインが美味しそうだったから、ちょっとテイスティングをね……幸にも見えてたから、気づいてるんだと思ってたけど……」
 苦笑してそう言った修吾に、幸は苛立った。
「知らないわよ。しばらくトイレから帰ってこないと思ったら、そんなことしてたの? 修吾、車止めて。酔い覚ましたほうがいいよ……」
 いつになく怒った口調で幸が言う。そんな幸に、修吾は変わらず苦笑している。
「大丈夫だよ。そんな長い距離じゃないんだから」
「もう!」
 その時、二人の視界が突然阻まれ真っ暗になり、車のブレーキ音が辺りに響き渡った──。