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流星群の叫ぶ夜

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――― ……ンコーンカーンコーン。

没頭していた文字の海の中でどこか遠くに聞きなれたチャイムの音を耳にした。
ぱちりと瞬きを一つして、本の世界から現実の世界に戻る。
いつの間にか回りは机に向かう姿から一様に帰り支度を始めていて、今日も一日が終わったのだと理解する。

センター試験という高校生活での大きな山場を越えてから、私たち三年の学校での授業時間は、よく言えば各々に合った時間。悪く言えば――例えば俺みたいな進路が決まった人間からすればお座成りな時間だった。
 センターが終わってから授業の殆どが特別編成と銘打ったプリント学習に当てられた。
 先生は教壇に立つが、授業の初めにプリントを配り次の時間に解説するのみ。その間、煩くしなければ何をするにしても怒られなかった。
まだ進路が決定していない者は、プリントなどそっちのけで自分の勉強に走り、進路が決定した者は大半が読書か大学で出された課題をやり、稀に配られたプリントを解いている。
 誰一人として無駄口を叩かないほぼ無言の6時間を学校で過すわけだが、冬休み前は一杯一杯に詰まっていたクラスメイトはもはや半数近くにまで減っていた。
 授業が無いという事もあって来ない人、来た所で早退したり、学校にいるよりは他の場所で勉強した方が捗るなどのそれぞれの諸事情なんだか甘えなんだかの理由で学校を休んでいる。
 けれども、実を言うならば、私は約四日ぶりの学校だったりするのでそう偉そうな口を叩ける立場ではないんだけれど。
 土日は普通の休みであるから別として、月、火曜と自首休校という名のサボリをさせて頂いた。でも、この自首休校中は一歩も家から出ることは無かった。その点だけは他の学校をサボって外で遊んでいる人よりは高く評価してもらいたいだなんて甘いでしょうか。
 私の考えだけども、学校でやることがないなら、家にいたって同じ、否、自分部屋という自分の好きなものが溢れかえった空間があるならそれ以上なのだから、学校になんてくるはず無い。本当に、まだ進路が決定していないクラスメイトに申し訳ないという気持ちが無い訳じゃないけど、学校に行った所で面白くないのだから仕方ない。
作品名:流星群の叫ぶ夜 作家名:藍澤燈夜