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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ホリディ

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 ばふっ! すかさず上から布団を投げて、お兄ちゃんがその上からどすんと乗っかると、さすがのどろぼうも伸びちゃった。
 ばんざい! ぼくらの勝利だ!

 事情聴取とか、現場検証とか、次の日までいろいろ大変だったけど、はらはらどきどきの連休は終わった。警察に協力したから、ぼくたちには感謝状が出るらしい。えっへっへ。
 急いで帰ってきたママは、腰をぬかしてその場に座り込み、ぼくたちの顔を見て、わあわあ泣いた。もちろんあとで叱られたけど。
 お姉さんは、意外にもけろっとしていた。
「ありがとう。ふたりともわたしの命の恩人よ。それでね、思ったの。今度はこれを小説に書こうって。探偵兄弟の話。どう?」
 たくましいお姉さんに、ぼくとお兄ちゃんは、思わず顔を見合わせて笑っちゃった。
「あははははは」
 でも、そのとき、とつぜんあることを思い出して、ぼくたちはぷいっと顔を背けたんだ。
 そんなぼくたちに、お姉さんが言った。
「やれやれ、平和な冷戦はまだ続くのね」
作品名:ホリディ 作家名:せき あゆみ