ホリディ
ばふっ! すかさず上から布団を投げて、お兄ちゃんがその上からどすんと乗っかると、さすがのどろぼうも伸びちゃった。
ばんざい! ぼくらの勝利だ!
事情聴取とか、現場検証とか、次の日までいろいろ大変だったけど、はらはらどきどきの連休は終わった。警察に協力したから、ぼくたちには感謝状が出るらしい。えっへっへ。
急いで帰ってきたママは、腰をぬかしてその場に座り込み、ぼくたちの顔を見て、わあわあ泣いた。もちろんあとで叱られたけど。
お姉さんは、意外にもけろっとしていた。
「ありがとう。ふたりともわたしの命の恩人よ。それでね、思ったの。今度はこれを小説に書こうって。探偵兄弟の話。どう?」
たくましいお姉さんに、ぼくとお兄ちゃんは、思わず顔を見合わせて笑っちゃった。
「あははははは」
でも、そのとき、とつぜんあることを思い出して、ぼくたちはぷいっと顔を背けたんだ。
そんなぼくたちに、お姉さんが言った。
「やれやれ、平和な冷戦はまだ続くのね」