小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

大人のための異文童話集1

INDEX|13ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 

第7話 もう一度…星に願いを



ボクはようやく、こうして人間のカラダを手に入れた。
やっと人間の…少年になれたんだ。

でもね、今はもう、ゼペットおじいさんも居なくなって、女神様の姿も見られなくなっちゃったんだ。

ボクが人間になって分かったこと…。
それは人間というのはみんな、いつか死んじゃうと言うことなんだ。

ボクがまだ木のカラダだった時、ゼペットおじいさんが作った沢山のお人形たちは、どんなに長い時が経ってもいても、おじいさんがちょちょいとつっつくと、みんな元気になっていた。

だけど、ゼペットおじいさんが亡くなる時に、ボクにはそんなちょちょいができなかった。
ううん、ボクだけじゃない。
お医者さんという偉い人にだって、ちょちょいはできなかったんだ。

それなのに、この地上のいろいろな場所では、簡単に人を殺したり死なせたりしている。
一日の食べ物にもありつけず、学ぶことすら出来ない子供たち。

文化とか文明という名のもとに、飽食に溺れてこの地球を喰いつくす大人たち。
もしも神様がいるのなら、どうして人を分けてしまったのだろうか?

ボクは心から問いかける。
神様はいったい何を望んでいるのですか?

ボクたち人間が手に手を取って、この星に愛を蒔いて行くことではないの?

もしそうなら…ボクに人殺しの武器はいりません、ボクに進んだ文化はいりません。
そんなものよりもっと、ボクに愛というものをわからせてください。