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律姫 -ritsuki-
律姫 -ritsuki-
novelistID. 8669
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Cant help my accepting...

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次に口を開いたと思ったらそれか。
つれないっていうか冷たいって言うか・・・。

「なんか今お前が嫌がりたいことすごいしてやりたい気分だよ・・」

人前で話しかけて欲しくないって言うなら、これでもかってくらい人前で話しかけてやる。

「別にいいけど、知らないよ?」
「へ?なにが・・・?」

すたすたと綾が近づいてくる。
なんか言い知れぬ圧迫感を感じて後ずさる。

「な、なんだよ・・・」
「ドア、閉めて」
「え?あ・・・ああ」

真後ろの立て付けの悪いドアを閉めた。
少し持ち上げながら閉めるようにするのが上手く閉めるコツ。
ガタガタ、と音を立てながらドアを閉め終えて再び綾のほうへと向き直る。

そして今、自分が置かれてる環境が、上手く飲み込めない。

「・・あのさ・・ちょっと、1つ聞きたいんだけど・・・」
「なに?」
「なにかな、この状況は」
「一般的には・・・僕が、たったいま閉めてもらったドアに君を押し付けてる感じだよね」

うん、その通り・・・って、そうじゃねーだろっ!

「だから、どうしてそういう・・・っ!?」

突然、唇に何かやわらかいものが押し付けられた。

「・・・んっ・・・ふ・・・」

押し付けられるだけでなく、中に入り込んでくる。
入ってきたものが歯列をなぞって、動き回る。
くすぐったいようなもどかしいような感覚。

実際そうされていた時間がどのくらいだったのかはわからない。
たぶん時間にしたら一分にも満たないくらい時間だったんだろうと思う。
それでも、やけにゆっくりと時間が流れてとても長い時間に感じてた。
解放されたときには、ずりずりとドアに寄りかかって座り込んでしまった。

「なっ・・・綾っ・・・!?」
口を手の甲でごしごしと擦ってみるが、濡れた感じがたった今起こったのが現実だということを物語っている。
「目、潤んでる」
「うるせえっ」

「梛の唇は色っぽい。目の前でしゃべられるとしたくなる」
「・・・まさか、人前でしゃべるなって・・・」
「クラス全員にみせつけてやっていいなら」
「冗談じゃないっつーの!」
「なんでもいいけど、嫌な気はしなかったんなら、これ受け取って」
そう言って出されたのは小さなピンク色の包み。
こいつの話には脈絡ってもんが欠けている。
「な、なんだよそれ」
「クッキー」
「は?なんで・・・」
「今日は3月14日」
「だからなんだ」
「お返し」
「え?」
「1ヶ月前、チョコくれたでしょ?」

2月14日に何をしていたかを思い出す。
放課後にいつものメンバーで菓子を食べてるときに綾が教室にやってきて・・・。
そして菓子を一個、綾にあげたんだった。

「別にっ、あれはそう言う意味でやったんじゃない!!」

確かにその後のお前にちょっとときめいたりもしちゃったかもしれないけど・・・。

「どっちでもいいから、受け取るの?受け取らないの?」
「うぅ・・・」
この俺が、リアルに男に告白される日が来ようとは・・・。
「受け取らないんなら、人前に限らずにもう二度と話しかけないでね」

ってそういうことは、そんなにあっさりと言うことじゃないだろっ。

ああ、もう。
しょうがないから、認めてやるよ。

さっきのキスは悪い気はしなかった。
お前とこれっきりになるなんて、嫌だ。

だから・・・

「しょーがないから、もらっといてやるっ」

そういいながら、本当にしょうがなくその包みをうけとった。


fin

受のO型はこんなイメージ。
AB攻にO型はとことん振り回されればいいなvv
作品名:Cant help my accepting... 作家名:律姫 -ritsuki-