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このはな さくら
このはな さくら
novelistID. 9334
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星の花 <初恋>

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「サチ、きれいよ」サチのママがうれしそうに言った。愛娘のウェディングドレス姿に、彼女の瞳は早くも潤んでいた。
「ママ、ありがとう」サチは、しあわせで胸がいっぱいだった。その手には青い星の花、ブルースターでいろどられたブーケがあった。
「このブーケ、かわいいわね」ママが言った。
「でしょ? ナオにもらったの」サチはブーケに視線を落とした。ナオミチは、子供のころに彼女からもらった星の花を覚えていたのだ。このブーケは、彼がサチのために用意して贈ってくれたものだった。
「お時間です」係りの人が結婚式の始まりを告げた。
 サチはバージンロードの前に立ち、彼女のパパと腕を組んだ。彼もまたママと同様潤んだ目をしていたので、サチはおかしくなって笑ってしまった。
「ほら、ちゃんとしろ。みんな見てるぞ」パパはすました顔で、サチに注意した。
 サチは真っ白なバージンロードの先を見た。中央の祭壇の前には、タキシードを身に着けた新郎が立っている。すらっと背が高い彼は、難なくそれを着こなしていた。サチは思わず見惚れてしまった。
 祭壇の前まで進み、新婦が父親から新郎に渡された。サチは彼の右側に立った。
「サチ、きれいだよ」彼がサチにささやいた。
「ありがとう。ナオも素敵よ」彼女も小さな声で言った。

 しあわせにあふれるふたりを、ブーケの青い星の花が見守っていた。