VARIANTAS ACT1 初戦
やがて刃は、ソルジャーの腕を両断し、胴を切り裂いた。
不快な金きり声を上げるブレード。
高分子複合素材を切ったせいで、ブレードが一気に刃こぼれした音だ。
それでも、ソルジャーは倒れない。
「ああああぁぁあ!」
レイズは再びソルジャーに渾身の力をこめて切りかかった。
対するソルジャーは拳部分に装備された『超振動ナックル』を起動させ、右拳でブレードをガードする。
「くっ!」
まばゆい火花が、レイズのブレードと、ソルジャーのナックルの間で散る。
砕けるブレード。
ソルジャーは左手でレイズ機の腹にパンチを食らわせる。
「がっ!」
突き飛ばされる機体。
衝撃はコクピットにまで伝わった。
「腹部、第一、第二装甲板損壊!」
「軽く食らっただけでこれか…!」
再び腕を振り上げるソルジャー。
次の瞬間、ソルジャーが砲弾に貫かれ、爆ぜる。
次の瞬間、彼の機体は駆け付けた小隊長機によって引き倒された。
「馬鹿野郎! 爆撃に巻き込まれるぞ!」
無線に響く小隊長の声。
同時に、数十機にも及ぶ騎兵隊機から数百発もの255㎜ロケット弾が、群の中に撃ち込まれた。
そのさまはさしずめ、ツリーラインを斉射する戦闘ヘリコプターのようであり、事実、ストライクウルフはロケット弾攻撃のあと対装甲ミサイルを満遍なくばらまき、敵軍勢を掃射。待避がてら、敵軍勢の上を擦過しながら右腕90㎜ガトリング機関砲を斉射する。
ストライクウルフの後には、数十機の爆撃機が来た。
爆撃機は数発の爆弾を投下。その爆弾は上空500mで破裂。空中に散布された液体爆薬は瞬時に爆発し、巨大な火の玉と化した。対ヴァリアンタス用に改良されたFAEはその爆風と熱、電磁波により文字通り地上にある全てを焼き尽くす。
それはまるで嵐のような……爆炎の海。
TO BE CONTINUED...
作品名:VARIANTAS ACT1 初戦 作家名:機動電介