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Gothic Clover #03

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『ネジくん』
『なんだヨ』

 これは、夢だろうか。

『ネジくんって生きてて幸せだなーって思う時ある?』
『ナイ』
『うわ悲しっ!』

 わかっている。これは夢だ。ただの夢なんだ。

『ボクは君達みたいに物事に関していちいち一喜一憂するみたいな面倒臭いコトはしないタチなんでネ』
『そんな生き方でよく今まで生きてこられたね』
『下らない感情に振り回される生き方よりはずっとマシだヨ』
『けっ、ニヒリスト気取ってんじゃねぇよ』
『今何か言ったカ?』
『別に何も?』
『今何か言ったカ?』
『ベツニナニモ?』

 これはただの夢なんだ。わかっている。わかっているんだ。

『じゃあお前はどうなんダ?』
『うい?』
『幸せだなって思う時ってどんな時なんダ?』
『ん〜……お菓子食べてる時?』
『下らネェ』
『下らなくなんかないよ! 糖分の摂取は栄養の補給と共に食べた人の幸せ指数を増やす働きがあるんだよ!』
『そりゃお前限定だろうガ! 他にまともな意見はないのカヨ!!』
『ネジくんと一緒にいる時!!』
『阿呆だオマエ絶対阿呆ダ』
『基本、ネジくん好きですから』
『真顔で言うなキモイ』
『ネジくんは?』

 これはただの夢なんだ。

『……ま、嫌いじゃねぇな』

 これは、ただの、夢なんだ。
 大丈夫。わかってる。
 わかって、いるんだ。

++++++++++

 起きた。
 胸がムカムカする。
 罰浩の夢を見るなんて久しぶりだ。
 クソッ
 アイツはもう死んだんだ。
 死人に用は無い。
 死んだ奴に感情など持つ必要は無い。
 ボクは起きる。
 時計を見る。
 9:23
 そうだ、思い出した。
 もう夏休みなんだ・・・。

作品名:Gothic Clover #03 作家名:きせる