My Goddess
大学を選ぶときに、迷いはなかった。
条件はただ二つ。
親の目をごまかせる、ある程度のレベルの大学であること。
そして――彼女の家から近いこと。
あの時と比べればずっと俺の世界は広がったけれど、その世界で生きていくための手段や、精神的な支えになったのは、自分の生まれた家や親や親類では決してなかった。
彼女がくれたシェルターのようなものを意識的に維持して、必死で、2年間を耐えた。
2年間で俺の気持ちすら変わるかもしれなかったし、彼女はもう、俺のことなど覚えていないかもしれないけれど、そんなことは関係なかった。
当時思ったこと、感じたことが、そのときは全てで。
彼女がしてくれたことが、例え同情からであっても、助けられた事実も、俺にとっての価値も、何も変わるものではないから。
子供の俺にとっての生きる道を、その選択肢を増やしてくれたのは、彼女だった。
それだけは、きっといくら感謝をしても、し足りない。
条件はただ二つ。
親の目をごまかせる、ある程度のレベルの大学であること。
そして――彼女の家から近いこと。
あの時と比べればずっと俺の世界は広がったけれど、その世界で生きていくための手段や、精神的な支えになったのは、自分の生まれた家や親や親類では決してなかった。
彼女がくれたシェルターのようなものを意識的に維持して、必死で、2年間を耐えた。
2年間で俺の気持ちすら変わるかもしれなかったし、彼女はもう、俺のことなど覚えていないかもしれないけれど、そんなことは関係なかった。
当時思ったこと、感じたことが、そのときは全てで。
彼女がしてくれたことが、例え同情からであっても、助けられた事実も、俺にとっての価値も、何も変わるものではないから。
子供の俺にとっての生きる道を、その選択肢を増やしてくれたのは、彼女だった。
それだけは、きっといくら感謝をしても、し足りない。
作品名:My Goddess 作家名:名村圭