Let's go to an amuse
そんなやり取りが20回ほど続いたと思うとまもなく明るい陽光が見えてきた。
「出口だ!」
竜樹はほっとしたように、出口へ向かう。
その瞬間―――
入り口には、血が酸化して黒くなったような服を着た男と燃える様な赤い服を着た女の人形が物陰から飛び出してきて、女の人形はこっちを向くと
「何故なのよおおおおお!」
と、絶叫した。
その瞬間竜樹は固まった。
その後に、すぐに直彦の腕をぎゅっと握る。直彦を掴んだその手は震えていた。
「直彦さん・・・。」
「大丈夫だって。」
子供を宥めるかのように話しかけると晋作の手を引いてお化け屋敷をでる。
その後も2人は色色なアトラクションを楽しみ、いつの間にか日が暮れていた。
ほぼすべてのアトラクションを楽しんだ2人は帰りの電車へ向かう。
「疲れた〜・・・。」
2人ともぐったりとした様子でシートに腰掛ける。
草薙駅に着くまで2人は口数も少なく夕日を浴びて電車に揺られた。
「産女駅〜産女駅。」
電車のアナウンスが流れたので晋作は直彦を起こして、降りる準備をした。
駅に着いたときはもう日が沈んで朝よりも冷たい風が吹いていた。
小走りで直彦の車に行くと、そのまま晋作の家に向かう。
「それじゃあ、晋作君送るから〜。」
「ん〜・・・。」
少しだけの距離だが直彦は船を漕ぎ始めそうだったため、音楽を大きめの音量で流した。
作品名:Let's go to an amuse 作家名:私は誰?