魔導装甲アレン3-逆襲の紅き煌帝-
草木も息づいている。
ふとアレンは空を眺めた。
青空に似ているが、生命力を感じない。
「なんで太陽ないわけ?」
生命力を感じないのは、地上の生きとし生けるものを照らす太陽がないからだ。
「それはここが陽の光の届かない場所だからです」
「つまりどこ?」
「それは言えません」
「人間の俺には秘密ってわけね。機械と人間のどっちに定義するかなんて言って、どうせ人間としか見てないんだろ? 俺人間だし、それで合ってるけど」
「人間たちも我々を差別してきましたが、我々も人間を差別した。だからわかり合えなかったのです。人間は最後まで我々をじ――」
最後まで言い切る前に爆発音が聞こえてきた。
街からだ。
さらに爆発音が聞こえた。2つ、3つ、4つ、次々と響いてくる爆発音。
街から煙が立ち昇っている。
アレンはベンチから立ち上がった。
「事故?」
「事故など滅多に起きません。それにあんな――新たな侵入者が街に現れたそうです。その者は明らかな敵意をもって我々に攻撃をしかけています」
「行くぞ!」
「はい」
二人は急いで街に戻った。
作品名:魔導装甲アレン3-逆襲の紅き煌帝- 作家名:秋月あきら(秋月瑛)