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新入生歓迎会台本

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BGMが流れている。
全員がそろっている状態で誰かが目立つ色のファイル持って入ってきて自然にファイルを置く。
傍観は最後に入ってきて、舞台前方に立ち正面に向けて話し始める。

傍観「ここは新入生歓迎会を3日後に控えた演劇部。部員はそれぞれホームルームが終わり次第部室に集まります。そして全員集まり次第、基礎練習や何をするかなどを決めたりします」(背後で脚本が他メンバーに説明をしている)
演出「さっきから何喋ってんのよ!」
傍観「あ、ごめんなさーい」
  「じゃ、始めるよー」
音響「はーい」(音楽FO)
傍観「今日って何やるんですかー?」
  「何、聞いてなかったの?」
傍観「あ、いや…」
  「新入生歓迎会の台本、今日が締め切りだって言ってたでしょ?」
  「あー」
脚本「え、今日でしたっけ?まだ出来てないとか言ってましたけど…」
全員「えー!?」
 それぞれショックをうけた動き
「楽しみにしてたのに……」「残念だー」
演出「残念とかそういう問題じゃない!」
  「え?」
傍観「ていうかあんた他人事みたいに」(脚本に詰め寄っていく)
演出「そこ、喧嘩しない!」
傍観「え、でも…」
A 「脚本がないってことは、今日はもう帰ってもい(いですよね)」
演出「(かぶって)よくない!!」
A  「…ですよねー」
演出「ちょっとまじめに考えてよ、本番まであと3日なのよ!?最低でも今日中に本が出来てないと、演出とか台詞とか困るじゃない!!」
  「だよねぇ」
  「え、じゃあどうすんのよ」
  「どうにかするしかないでしょ」
  「どうにかって…」
  「あ、じゃあうちらで作っちゃうってどうですか?」
  「私達で?」
  「いいね、それ!」
  「待ってよ、私たちで作ってまとまる…?」
  「やってみないと分からないですよ!」
  「人間不可能なんてないんです!」
  「…まぁ、それしかないしね…」
  「とりあえず、考えてみるか……」
恋愛「はいはーい!じゃあ私、悲劇のヒロインやりたい!私がクラスでいじめられてて、トイレで水なんかかけられちゃって、先生に相談しようにも怖くて出来なくって!(仕切り直し・強調)でっ!!それでもうココまでか〜ってところで、彼がこう言うの!」
 (下手スポットが傍観に当たる)
音響「『大丈夫か?俺で良けりゃ力になるぜ』」
 (傍観が「え、私!?」って演技)
 (ぜんじ)
恋愛「ってキャー!!」
  「はいはい。本当妄想好きだね」
 (恋愛好きは演出の声を無視して傍観を連れて妄想モード開始(ホリピンク)・傍観は嫌そうに・だがだんだん楽しくなってくる)
演出「ってあんたらなにやってんのよ!」
  「いいよ、おいとこ。じゃ誰か次の案―」
  「あ、じゃー、高校生になったらこんな生活だよーってのやるのは?」
  「悪くないけど、退屈しない?」
  「じゃーむしろ私達演劇部の説明しちゃうとか!」
演出「午前中に私が説明しちゃってるから」
  「どうしよー……」
演出「(妄想組に)っていうかあんたらいつまでやってんのよ!」
恋愛「だって妄…想像が止まらなくて……」
傍観「私はやりたくてやってないし……」
恋愛「うっそだー、途中からすごく楽しそうだったじゃん」
傍観「ばれた?」
演出「とりあえず、止めて。」
 (恋愛ふてくされる。傍観なだめる。)
脚本「あ。私ねー、絵本とか童話の舞台をやりたいなー」
  「たとえば?」
  「白雪姫とかー」「シンデレラとか?」「赤ずきんちゃんて絵本?」「かぐや姫とかどうよ」(一人目は脚本=絵本でもよし)
演出「そんな意見ばっかり出してもしょうがないじゃない。で、どれやりたいの?」
脚本「えっとね…全部!」
  「は?どういうこと?」
脚本「つまりね」(以降間になりきり演技挿入・演者は絵本ツッコミ傍観以外・一人一〜二役)
脚本「ある日シンデレラは怖い継母達の元へワインを届けに行くことになりました!」
脚本「一方その頃、赤ずきんちゃんは月に帰るためにお母さんと涙の別れ!」
脚本「さらにその頃、かぐや姫は毒りんごをかじって倒れてしまい!」
脚本「そしてその頃、白雪姫はカボチャの馬車に乗って舞踏会へ向かっていました!」(恋愛?)
演出「待て待て待て待て!」
脚本「どうかした?」
演出「どうかした、じゃないわよ!むちゃくちゃじゃない!そんなもんなしなし!」
脚本「面白いのにぃー」
演出「あなたにとっては、ね!はい次!」
音響「私ミュージカルがやりたい!」
  「それ音響の仕事がやりたいだけじゃ?」
  「ていうか新入生歓迎会の時間制限ってミュージカルができるほど長くないよ!」
音響「えー。じゃあ…時代劇!チャンバラシーンがあるやつね!こんな感じで…」
 (後ろでチャンバラ開始。刀は定規と「ポスター丸めたやつ」みたいな感じ)
 (流せるようなら緊迫感のあるようなBGM or風の音)
B 「とうとう見つけたぞ!父上の敵!」
C 「ふん、返り討ちにしてくれる!」
(切りあうSE)(BがCを切り伏せるがその音がおかしい・たとえば子供がはくサンダルのぴよぴよ音)
  「ちょっと!今なんか変な音した!」
演出「音響、あんた効果音で遊びたいだけじゃない!却下却下!次!」
音響「えー」
脚本「じゃあー…照明、なんかないの?」
照明「私は…どんな舞台でも必ず仕事あるから」
演出「そういう問題じゃないでしょ!?やる気ないなぁもう」
照明「そ、そんな言い方しなくても…」(舞台上青く)
演出「あ、ごめんごめん…悪かった。だから照明で気持ち表すのやめて」(明るくなる)
  「うーん、じゃあ次…何かない?」
傍観「私が考えるより、脚本いるんだから本人の(アイデア使えばいいじゃない)」
  「いいから、何かない?」
傍観「えー…あ、じゃあこんなのはどう?えっとね…あ、ちょっとそのファイル貸して!」
 (傍観・何かの実演をしようとする)
  「はーい」
照明「あれ、そういえばそのファイル、何?」
  「え、これはさっきここに来る途中で脚本から…」
演出「ちょっとそれ見せて」
  「あれ、これ台本じゃない?」
傍観「え?」
  「なぁんだ、だったらこんなことする必要なかったじゃない!」
脚本「そのようですねー」
あははははははは(傍観者・一人釈然としないがつられて笑う)

脚本「…はい!そこまで!」
 (周り一斉にだらける?・なんらかのメリハリ)
脚本「じゃ、これでなんとか書けると思います!ありがとうございました!」
 (脚本、舞台奥のほうへ引っ込んでパソコンをいじり始める)
 (各自達成感に浸っている)
傍観「…え、ちょっと待ってどういうこと?」
  「なにが?」
傍観「…あのさ、一個聞いていい?」
  「なに?」
傍観「脚本ってあいつだよね?」
  「そうだよ?」
傍観「…台本は?」
  「今から書くんだよ?」
傍観「え、締め切りは?」
  「締め切りも何も、そういう話だったじゃん」
傍観「??」
  「だからさ、少し前にメールで連絡したでしょ?今回の脚本はちょっと新しい作り方するって。みんなにアドリブで実際に演技してもらって、それをもとに脚本書くって」
傍観「…忘れてた」
作品名:新入生歓迎会台本 作家名:泡沫 煙