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長脇差しの男

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 一度だけ同じようなことを言われた。
 なぜだか周りに下衆だと陰口された笑顔を、あの娘子だけは。
 その時を思い出せずに、島崎は事切れていた。
 顔に童のような笑顔を貼り付けたまま。
 男は島崎が事切れたのを察し、横たわった体から立ち去った。
「島崎様ー。」
 遠くから問われるその言葉を聞き取って、男はあの娘が来ただろうことを悟った。
 これでまた宿に泊まる暇も無くなった。
 すぐにでも関の向こうへと向かわなくては。
 男は歩を急がせた。
 
 
作品名:長脇差しの男 作家名:春川柳絮