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早稲田文芸会
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ストイコビッチのキックフェイント(笠井りょう)

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街中を歩いている途中で、手ごろな大きさの壁を見つけて、思い切りボールを蹴り当てると、崩れ落ちる壁の向こう側に無人のサッカー・スタジアムが現れる。「やっちゃん」と爺ちゃんも来ていて、フィールドの左半分では私の知らないどこか別の世界のチームが練習試合をしている。
「お(はようご)ざ(いま)ーす」と挨拶して合流する。
「おう」と爺ちゃん。
「やっちゃん」はちらっと見るだけで準備運動に戻る。
私たち三人は更衣室へ向かう。