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僕の絶対進学塾。

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「え?それってDクラスじゃない?何でGクラスなんかにいるの?」
「手違いでね。仕方無しにゴミ組にいるんだよ。」
ゴミ組か・・・。ひどい言われようだな。まぁ万年Dクラスの僕らにはあんまり心に響かないんだけどな。
沖田君はすぐに、前を向いてしまった。

塾が終わって、銀太と帰宅する事にした。僕の家は母子家庭だから、多分母さんはまだ帰ってきていないだろうな。どうせ、明日まで帰ってこないし。今日も銀太の家に泊まろうかな。
「銀太。今日泊まっていっていい?」
「またかよ。別にいいぜ。」
「さすが親友。」
「感謝しろ。褒め称えろ。」
えらそうなもんだ。まぁお世話になるしいいか。
「明日って何の授業だっけ?」
「明日は・・・社会、だ。」
社会か。苦手でもないし得意でもない科目だ。まぁだからといってもたかが知れている。
何気なく部活帰りだったために持ってきていた剣道の竹刀を見る。
「・・・あぁ!!」
「ぅお!?なんだよ!?」
「銀太!見てコレ!!」
僕は街頭の明かりに照らして、銀太に竹刀の持ち手を見せた。
「あー・・・。」
「カ、カビ生えてるっ・・・。」
そこには、緑っぽい青っぽい模様があった。
「本当にお前カビだな。」
「僕がカビじゃないだろ。」
そんな言い争いをしながら僕らは斉藤家に向かった。
                     
                                   <つづく>


<火曜日・社会と家庭連絡>
PM4:50。僕は今、塾の自習室にいる。後10分で授業が始まるのに移動しないわけは、またもや宿題を忘れたからだ。火曜日は社会。社会には田中先生という温厚な先生と栗山先生という厳しい先生がいる。普段、栗山先生は授業中に生徒に厳し~く注意するけど、田中先生がなだめるからあまりこちらに被害はない。塾のブラックリストに載ってる僕でさえも田中先生は優しく接してくれる。だけど、社会の成績は少しも伸びない。まぁそれはそれで仕方がないからいいか。今更頑張ってもバカなんだし。
「森田君~!」
目の前に突然女の子が現れた。彼女は夏川 明花。僕の嫌いな、いやいや苦手な子だ。
「な、何?」
「田中先生が心配してるよぉ~。」
このデロっとした話し方も意外に尺にさわる。バカ丸出しの純粋な少女だという事が見て取れるから。女の子としての品性とか考えないのかな?まぁ僕が言えた事じゃないけど。
「斉藤君もずっと探してたよぉ。」
斉藤君?あぁ、銀太の事か・・・。斉藤 銀太は僕の親友だ。でも、最近はそう思ってるのは僕だけなんじゃないかという不安が沸いてくる。そりゃ、小学校から一緒だけど高校のクラスは違うよ?だけど、いつも一緒に行動してるからてっきり親友なのかと。色々あって、最近は死ぬほど憎くなる事があるだけでそれ以外は今までどおり。そう、今まで通りだ。
「森田君!早くしないと間に合わないよ?」
「・・・何に?」
「授業だよぉ!栗山先生に怒られちゃうっ!」
「・・・宿題忘れたし行くのめんどいし、今日はもういいや。」
「えぇ~!?」
うるさいなぁ。いいじゃないか。僕の人生だ。よく考えてみれば、家に母さんはいないわけだしサボっても親にバレないじゃないか。塾が家に連絡したところで、誰も出ないもんな。そうそう。僕って結構頭いいんじゃないの?さて。そうと決まれば帰らなきゃだ。今日は家でゲームでもしていよう。うん。そうしよう。
僕は素早く席を立った。
「あっ!どこ行くの?」
「ちょっと用事が。」
僕は夏川さんに背を向けて足早にスタスタと出口に向かった。

作品名:僕の絶対進学塾。 作家名:クロウサギ