バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]
勇者ノベリットの冒険
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勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!! |
2013-07-11 19:30:04 |
コメント (196)
退会ユーザー 2020-05-10 19:43
「み、見えん?何も見えんぞ!真っ暗だ!」
怪しい薬を呑んだレイストは、突然奪われた視界に混乱をきたした。
「シラク!シラク!シーラークー!!」
「おい!落ち着け。おまえのフードが深く落ちただけだだろう?」
ガッツ、いや、ガッシはレイストのフードをまくり上げてやった。
「おお、そうであったか。病弱な私から光を奪うとは、けしからんフードだ!罪名は日照権搾取だ!」
レイストは腹立たし気に懐から赤い本をだした。
「ザケル!!」
赤い本から強い光発せられた。
「ギャアア!!」
悲鳴はどこから聞こえてきたのか?一体何が起こったのか?
退会ユーザー 2020-05-10 12:03
水晶には、ノベリットをこっそりとつける者たちも映し出された。
「キャ〇モン兄さん!!キティ〇ラ姉さん!!どうしてここへ?ごほっ、ごほっ。く、薬が……」
レイスト〇ンは水晶に映った人物に見入っていたが、謎の病にせき込んだ。
「おお!妖精とはパ〇クのことだったか?恋人を探していると言っていたが!?」
ガ〇ツも水晶の人物たちに見入っていた。
「ぺーぺーぽー、ぺーぺーぽー。あ、ミニカーが動かない。ガス欠だあ!おい、レイスト!魔力込めてくれ。ぺーぺーぽー、ぺーぺーぽー」
イザワは魔力注入をお願いした。
「だったら、いつもの薬をよこすんだ、イザワ。ゴホゴホ」
「この薬中が!ほらよ」
レイストはガラス瓶に入った薬を受け取ると、一気に飲み干した。
薬を飲み干したレイストの身に、すごい魔力がみなぎっていく。
「おおおおおおお!!」
レイストの身に何が起きたのか?
匿川 名 2020-05-10 10:55
「ええと・・・レ○ストリンとガ○ツと・・・イザワ?」
ノベリーナは首をかしげながら三鬼衆にそう声をかけた!
「あの、一人だけ伏せ字じゃないんですが」
側近が慌てたようにノベリーナに小声でそう進言した!
「いいのじゃ!文字だけではマエノと区別がつかんからじゃ!」
「左様で」
やむなしと側近は引き下がった!
「レイと申します」
ローブの男はそう名乗った!
「ガッシです」
筋骨隆々の男はそう名乗った!
「む、点々の向きが微妙に違うの」
ノベリーナはそう感想を呟いた!
「三波春夫でございます」
はな垂れ男の名乗りに、周囲の空気が凍り付いた!
「・・・昭和?」
ノベリーナは冷や汗をかきながら側近の耳元にこそこそと囁いた!
「はあ、昭和にございますね・・・。しかも・・・相当年季の入った・・・」
「本名なのに・・・」
はな垂れ男は何となくさみしそうにぼそりとそう呟いた!
「ええい、ところでそれはどうでも良いのじゃ!お前たちに命を下す!今、ノベリットいう者とノベリンという妖精が妖しいダンジョンZZRに向かっておるのじゃが、お前たちで足止めをせよ!方法は問わぬ!」
ノベリーナはそう厳しい声で言い放ち、右手をさっと体の前に振った!
それに併せて側近が水晶玉を恭しく持ってきた!
さらに側の魔道士がそこに歩み寄り、玉の上に妖しくもにゃもにゃと手をかざした!
「待っておれ、今奴らの位置を見せるのじゃ!」
すると、水晶玉の中に紫の煙が湧き上がったかと思うと、さらにその奥から少年とその側を舞う妖精の姿が浮かび上がった。
そこには!
匿川 名 2020-03-29 23:48
「ところで西の森ってここから大分遠いの?」
ノベリットはノベリンのあとを付いて歩きながらそんなことを尋ねた。
「そうねえ・・・歩いて1日半ってところかしらね」
ノベリンはそう言うとうんざりしたように首を横に振った。
「げー、長い!」
冒険者のくせに1日半で値を上げるとは情けないぞノベリット!
「私が一人で飛んでいけばあっという間なんだけどね」
するとぼそっとノベリンがそう言った!
「でも、もしそうしたら・・・」
それに恐る恐るノベリットが尋ね返す。
「あなたは死んじゃうらしいわよ?ヴァンダール様のお言葉に寄れば」
あっさり帰ってきた返事は予想通りだった!
そしてふと、何かに気がついたような顔をノベリンがした!
次の瞬間、ノベリンが飛ぶ速さがちょっと上がった!
「え、ちょ、おま」
慌ててノベリットが駆け足になる!
「そうそう、はじめからこうすれば良かったんじゃない!ほうら、死にたくなければ私についておいでなさいな。それワン・ツー、ワン、ツー!」
そんなわけでほのぼのとしたようで殺伐とした、じつにこそっと命をかけた駆け足が始まった!
ひいひい言いながらノベリットは走り続けた!
※
その頃王室の拝謁の間では、女王ノベリーナの眼下に三人の妖精が跪いていた。
「三鬼衆・・・来たか」
ノベリーナはそう呟き、その一人ずつにゆっくりと冷徹な眼差しを送った。
そこに居たのは、その姿勢こそ恭しくも、身の回りには触れると切れそうな冷気を放つ灰色のローブに身を包む者と、子供ながら隆々とした筋骨を備え、かつその背には身の丈をゆうに超える大剣を負う者、それに・・・それに・・・
・・・何故か愉快なライオンさんの電動ミニカーに跨がるはな垂れモヒカン小僧の姿が?!?!
退会ユーザー 2020-03-28 20:43
「へ~っくしょい!へっくしょん!ぶふぇっくしょ~い!」
妖精郷を出たノベリットたちだが、凄まじいい花粉攻撃に見舞われた。
「ノ、ノベリン、ぶふぇっくしょい!か、花粉症になっちゃった!目もかゆ~い、へっくし!」
ノベリンに目をくれたノベリットは目を疑った。
ゴーグル、花粉対策マスク、花粉キャッチコートと、いつの間にか花粉対策完全装備で、悠然とノベリンは飛んでいた。
「ず、ずるいぞ、ノベリン!自分ばっかり!」
「仕方ないわね~、ほら」と投げてよこされたのは、目薬と点鼻薬のみ。
とりあえず、目薬差して~の、点鼻薬プシュップシュッと噴霧した。
西を見渡すと、すっごい花粉だとわかる。だって、視界が黄色いのだから。ノベリットは、これはパンツどころではないのではと、この旅先を危惧した。
一方、その頃。妖精郷の女王ノベリーナの下に、一人の兵が駆け付けた。女王の耳元でごにょごにょと囁くと、ノベリーナの目が大きく見開かれた。
「なんですって?!!ヴァンダール様が?」
「はいのべ。そして、ノベリットは西の森の奥深くにある、妖しいダンジョンZZRへ向かいましたのべ」
「そ、それは不味いんじゃない?」
兵は控えてこくりと頷いた。女王は報告の兵に耳打ちを返した。
「じゃ、じゃあ、わたくしが盆栽壊しちゃったこともバレちゃうじゃない?」
兵も囁き返した。
「そうでございます、女王様のべ。そのせいで、盆栽樹は洞窟内で根を伸ばし放題のやりたい放題のべ。見つかれば、お父上とお母上である太閤さまや皇后さまに叱られますのべ」
「あ、あれは嫌じゃ……。あれだけは絶対嫌じゃ!!」
「そうです、女王様のべ。お尻引っ叩き棒でお尻ペンぺん百回のべ」
「うぬぬぬ!!こしてはおれん!ノベリットを洞窟へ向かわせるな!!」
「しかし、どうやってのべ?」
「ええ~い!妖精三鬼衆を向かせるのじゃ!」
「な、なんですとのべ!?それはいくらなんでものべ」
兵は顔を引きつらせていた。
「それから、ヴァンダールさま、いえ、あのばばぁも上手くやりこめておきなさい!
さあ、どうなる妖精郷?!
匿川 名 2020-03-22 22:13
ノベリン(はあ・・・もう、最悪。でもせめて行き先が同じで良かった・・・)
匿川 名 2020-03-22 22:10
「そんなわけでダンジョンはお前たち行っといで・・・わしはセンター最前列・・・ウヒヒ」
「え、ヴァンダール様。私も行くんですかのべ?」
ノベリンがすかさずお前たちの『たち』に引っかかって尋ね返した!
「そりゃそうじゃ。そっちのマナベくん・・・じゃないわい。勇者は死にかけておるんじゃろ?それならば妖精がそばについて魂をここにとどめておかなければの」
ヴァンダール婆はさも当たり前のようにそう言った!
「え、そうなの?!」
ノベリットは慌てて尋ね返した!
「はい、仕様です(キッパリ)」
一連の流れを聞いて、ノベリンはあからさまに『え-』といわんばかりの不満顔だ!
「でも・・・仕様なら仕方がないよね?」
ノベリットはノベリンにそう言った!
がっくりと見た目にも申し訳なるように肩を落として、ノベリンは「へーい」と返事をし、西へと向かってふらふらと飛び始めた!
ガンスリンガー、じゃなかったノベリットはその後を追った!
匿川 名 2020-03-22 22:08
「・・・若いな、ヴァンダール婆」
「だまらっしゃい!」
ぼそりと呟いたノベリットをヴァンダール婆は一喝した!
そして何もなかったかのようにもう一度懐をごそごそ探ると、今度は茶色の小袋を取り出した!
「なになに・・・『ハイパー除菌剤ドゥ・ミェスト』?」
「根こそぎです!」
薬の名前を読んだノベリットに小袋を突きつけながらヴァンダール婆はそう言った!
「いや、ヴァンダール様。さすがに根こそぎはまずいんじゃ・・・」
「いんや、いいのじゃ!悪い成分だけ根こそぎなんじゃ!わしがそう言ったらそうなんじゃわーい!」
なんだかえらく信憑性が乏しいが、やるしかないのか?
ノベリンとノベリットは顔を見合わせてア○リカ人がやるように肩をすくめた!
「それでヴァンダール様、盆栽樹の根はどこにのべ・・・?」
どうにか気を取り直したノベリンがなけなしの敬意を込めてそう尋ねた!
「それがな、西の森の奥にある『妖しいダンジョンZZR』の深奥というところまでわしは突き止めたのじゃ!」
「古いカワ○キのバイクみたいな名前ですね」
ノベリットのメタなツッコミにノベリンがジト目で返した!
「どうしてヴァンダール様はそこまで分かっていて行かれなかったんですかのべ?」
ノベリンが尋ねると、ヴァンダール婆は遠い目をして一枚のお札を取り出した!
「・・・?それは?」
尋ねるノベリンにふうとため息をつきヴァンダール婆は項垂れた
「『純令Ⅱ(じゅんれーつー)』のプラチナチケットじゃ・・・よりにもよって、このタイミングで当選!」
それを聞いて、ノベリットとノベリンはズコーと盛大にずっこけた!
匿川 名 2020-03-22 21:57
薄れゆく意識を振り絞り、ゆらゆらとノベリットは立ち上がった。
「・・・おやっさん、テンカウント、いや、俺のパンツはそんなに簡単に諦めていいもんじゃねえ・・・」
「いつまで引きずってるのっ!」
そうだ、いい加減しつこいぞノベリット!
「しょうがないわねえ・・・今のパンツはあとで私がなんとかしてあげるからっ!」
ノベリンが呆れたようにそう言った!
「絶対だぞ。約束だぞ」
駄々っ子のようにノベリットが念を押すのでノベリンは仕方なく大きくうなずいた!
その様子を眺めていたのはヴァンダール婆だ。
「しかし本当に『ときめきディスナイツ』のマナベくんそっくり・・・」
「ヴァンダール様、もうそのネタもいいですから!のべ!」
なんだか敬語がやけっぱちだぞノベリン!
「ウォッホン!それじゃ気を取り直してお主にお願い事じゃ。この花粉をどうにかするには、盆栽樹の根に魔法の粉をかける必要がある!しかして粉は、ほら、ここにあるのじゃ!」
ヴァンダール婆はそう言うと懐からごそごそと紫の妖しい小袋を取り出した!
何やら薬の名前が書かれた紙が張っているぞ?
「ええと・・・『スーパー媚薬うっふんX』?」
名前を読み上げたノベリンの目の前で、ヴァンダール婆は老婆とはとても思えない素早い動作でさっさと懐に薬をしまい直した!
退会ユーザー 2020-03-22 21:07
「この妖精郷は、いや、妖精界は今一大事なのじゃ」
「一大事?」
「うむ。妖精界を支えるという世界の盆栽樹がおかしくなってしまってのう」
「盆栽?世界の?!!何それ!?」
ノベリットは口を大きく開けていた。
「盆栽樹をいつも手入れしている植木職人も手が付けられず、葉も枝も伸び放題!妖精界は今、盆栽樹の花粉で大変なことになっておるのじゃ。多すぎる花粉は毒なんじゃ。特に今この時期、春先からが危険じゃ。目が痒くなるは、鼻水が止まらないは、鼻が詰まるはで、どこの郷も外から一歩も出られん。じゃから、わしが妖精界を巡り、障壁を張り巡らす旅に出ておったのじゃ。そして、一仕事終えて今し方帰ってきたら、お主がいたという訳じゃ」
「ただの花粉症じゃん!」
「ノベリットのお馬鹿!!」
ノベリンの見事なアッパーがノベリットの顎を捉えた。ノベリットはマウスピースを吐き出しダウン!
「障壁を巡らすっていうことは、春の花粉を私たち妖精はもらえないということ!春の訪れと共に盆栽樹の有難い花粉を受けて、一年を過ごすのよ。それができないということは、年々妖精は弱っていってしまうの!死者もでているのよ。学校にも行けない子供も多いの!一大事も一大事。パンツどころじゃないんだから!」
ノベリットは仰向けになって、白目を向きかけている。
「そこでお主の出番というわけじゃ!」
「早く立ちなさいよ!カウント取るわよ!?」
しかし、ノベリットはまだ立てない。どうする、ノベリット?
立て、立つんだノベリット!