バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]
勇者ノベリットの冒険
かざぐるま} かざぐるま |
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!! |
2013-07-11 19:30:04 |
コメント (196)
匿川 名 2022-01-30 23:16
「いかにお気楽不定期更新とは言え、半年放置はどうかと思うのじゃが」
とノベリーナは呟いた。
「女王、メタなことを言えば筆者が『未曽有のやる気なしモード』に突入しているらしいですので、何卒ご配慮を…」
横に控えていた側近の男はコソコソとノベリーナにそう耳打ちした。
「でもよそではホイホイテキトーなことをつぶやいているそうではないかっ?!」
ノベリーナの鋭い視線とツッコミに側近は『あいたたた』という顔をして右手で自分の目を覆った!
「でも、ほら、こうして何かを書こうとしているところだけでもご評価されてはいかがかと」
「むぅ…何やら納得はやはり行かぬが、致し方なし、か」
不承不承といった様子でノベリーナは頷くと、ドスンと王座に深く腰掛けなおした!
「ところで現状はどうなっておるのじゃ?」
ノベリーナは側近に尋ねた。
「は、気が付けば匿なんとかという者は、結局またひとりきりでトホホと何やら書き始めたとかなんとか…」
「あほう!メタなネタを引っ張りすぎじゃ!ノベリットと差し向けた三人についてのことに決まっておろう!」
「む、申し訳ございません。ノベリットについては今のところ消息は不明です。追手の三人は…ええっと」
側近はそう言ってちょこっと口ごもった!
「なんじゃ、歯切れの悪い」
「私からご報告するよりは…見てもらったほうがいいのかなぁ…などなどと」
そして側近はそう言うと、ローブの懐から深い青色をした大きな水晶玉を取り出した!
「女王、この中に三人の『今』が入っています。どうか覗き込んでいただきたく」
「む、魔法できゃつらの姿が見えるというわけじゃな?便利なものよのう。さて、どれどれ」
ノベリーナはそう言いながら、側近が差し出す水晶玉に顔をそっと近づけた。
不思議なもやが玉の中に立ち込めている。
その奥に水色の光点が閃いては消え、閃いては消えとしながら、ふとその中の一つが急拡大した。
思わずノベリーナは目を細める!
女王を取り囲む輝きは、まばゆい白い明りとなって、その向こうからある光景をノベリーナの眼前に繰り広げた。
そして、その眺めの中には!
匿川 名 2021-07-24 10:23
「てかどこまで落ちるんだよっ!この木の構造どうなってんの?!ええい!今ここを書いているやつは三歩前に出ろっ!!」
ノベリットは錯乱気味にそう絶叫した!
「何言ってんの!知るわけないでしょ!それより少しは速度調整してよ!滑り台みたいになってるんだから手を横に突っ張ればいいでしょ?!」
ひいひい言いながら羽ばたくノベリンは叫び返した!
「でも結構速いよ?!手の皮むけるんじゃない?!」
ノベリットはビビり気味にそう返した!
「なら足でいいじゃない!靴履いてるんでしょ!」
ノベリンの怒りの絶叫にノベリットは『あ、そっか』とあっさり納得した!
そしてそっと左右に足のつま先を伸ばす!木の肌にそれが触れる!
と、その瞬間!
「どわあっ?!」
木の肌がベリッと破れてつま先がそこに引っかかった!
しかしついた勢いは急には収まらない!
ノベリットは垂直に180度回転し、頭を木の肌でしこたま打った!!
足はその時の勢いでまた穴から外れ、さらに滑走を続けるノベリット!
「オリンピックにこんな競技があったっけ?!」
あきれながらノベリンがそう言った!
「多分ない!近いのがあっても冬季オリンピックのボブスレーだと思うぞ?!」
打ち付けた顔を真っ赤にしてノベリットは絶叫する!
その時、盆栽樹が再度大きく揺れ始めた!
併せて深く不気味な『ゴゴゴ』という音が辺り一面で一斉に起こった!
匿川 名 2021-06-15 22:07
「あのさ」
と、すっかり忘れ去られていた三鬼衆の一人、ガッシが呟いた。
「ここから妖しいダンジョンZZRに向かっても三日はかかる訳じゃん?だったらどう考えてもノベリットたちにはもう追いつけないと思うわけだが」
「それもそうですね」
とイザワこと三波はそう返した。
「やめよっか」
なんだかあっさりとレイがそう呟いた。
「でもこっそり帰ったことがバレたらノベリーナ女王に殺されそうな予感」
三波はそうささやいて割と本気でおびえた顔をした。
「行くだけいくかなあ。ダメならダメで取り組んだっていう実績が欲しい!」
ガッシは少しめんどくさそうにそう呟き頭をボリボリと掻いた。
「まるでダメなサラリーマンみたいですね」
レイがそう言ってクスクスと笑った。
その時!
「・・・ん・何だ?」
ガッシがふと足下に目をやった。
三鬼衆の足下がかすかに揺らいだかと思うと、たちまちにその揺れは大きく強くなり、大地のすべてを包み込んだ!
「わわわ!地震的なアレですかー?!」
三波がわたわたと両手を振ってバランスを取りながらそう叫んだ!
地の揺れに伴うゴゴゴという轟音が世界を包む!
「な、何があったんだよレイ!」
「こ・・・この揺れの大きさは!もしや、盆栽樹の根が・・・枯れ始めているのではっ!」
そういえば!
なんだか一年近く前に某勇者がヤバい薬を過剰にとあるところに投入した気が!!!
匿川 名 2021-06-05 13:45
竜は翔ぶ。
その向かう先は識れない。
闇夜を切り、ひゅうと星の海を渡る。
その背には項垂れる女と、呆ける男と、彼方を見据える侍と――
灰の如く朽ちた、巨躯の名残とが有った。
竜の背が切りつける風がその巨躯の名残を浚ったとき、がさりと音を立てて一塊が宙に流れた。
その束の間、呆ける男がにわかに覚醒したかのごとく、塊に向けて飛びかかった。
あたかも、何物もこれ以上そこから奪い去らせまいとするかのように。
しかしその身体は侍に抱えられた。
或いはそうで無ければ、男の身体は宙に舞い、地に向けて自由落下を始めていたであろう。
斯くして塊を掴み損ねた男の手が空を握り、飛び落ちた朽ちた肉は夜の闇の中へと消えた。
そのうちに、みるみる男の目から束の間生まれ出た生気が消えていった。
侍は男の身体を引いて、竜の背に座らせた。
再び呆けるばかりとなった男は素直にそれに従ったので、これ以上飛ぶことは有るまいと判断し、侍は風下に腰を下ろした。
「強大ね」
と、女――アニエスが呟いた。
「まさしく」
と侍、種田は応えた。
『竜の炎撃(ドラゴン・ブレス)』により魔法の邪気を払いはしたものの、詰まるところ、彼らは遁走したのだ。
幻影を相手に翻弄され、ただの一撃を与えることもかなわずに。
まるで此所では無い、どこか遠い世界に居るかのような、呆ける男――ノベリットは
「ノベリン」
とぼそりと呟いた。
思わぬその響きに、アニエスと種田がノベリットを見た。
「ノベリン」
もう一度ノベリットが呟いた。
その口元に、つうと涎が伝った。
「ノベリン、落ちるよ」
重ねてそう呟くノベリットの瞳に、理性の明かりはどこにも無かった。
有るのはただ、星の無い夜の闇にも等しい万物を吸い込む暗黒のみだった。
種田とアニエスはその様で理解した。
ノベリット――
彼の心は最早、
すっかり此所には無かった。
匿川 名 2020-12-02 23:30
「やばい!またも放置5か月!」
突然、ノベリットは何かを思い出したかのようにハッとしてそう言った!
「ちょ、今さらなことを言わないの」
ノベリンがほわほわとあくびをしながらそう答えた!
「そろそろ年末ですねぇ」
「ここでリアルなお話をしてもアレよね」
そうだそうだ、ノベリンの言うとおりだ!
・・・というわけで、ノベリットは何事もなかったかのように盆栽樹のすり鉢を覗き込んだ。
ドゥ・ミエストは確かにすべて投入したのに、何も起きない。
「おかしいな」
「あたしに言われても困るわよ」
そうして二人は軽く首をかしげながらお互いの顔を見つめあった。
すると、
・・・ペキン
「ん?今のは何の音だ?」
ノベリットがあたりを見渡した。
「さあ、でも確かに何か音がしたわよね・・・何かしら?」
・・・ペキ、ペキペキペキ
「な、何だかヒジョーに嫌な予感がするんだけど」
ノベリットはかすかに聞こえる破裂音のようなものに微妙な恐怖を感じた。
「き、奇遇ね。あたしもなんとな~く嫌な予感がするのよね」
ノベリンが応じたその、次の瞬間!
ベキッ!!
ノベリットの足元が突然抜けて、崩れた!
「わわわ?!」
「きゃ?!」
突然激しい地響きが辺りに轟いた!
暗がりの盆栽樹の内側で、樹皮がめりめりとはがれ始めている!
「まーた落ーちるーー!」
そして暗く抜けた穴の中へと響くノベリットの絶叫!
ノベリンは慌ててその後を追い翔んだ!
匿川 名 2020-07-25 23:33
「きっとここが目的地ね。世界の盆栽樹の中心部だわ」
ノベリンはそっとそう呟いた。
「ほえ?何でそんなことが分かるの?」
ノベリットが尋ね返すと、ノベリンはそっとノベリットの右脇を指さした。
そこには、古ぼけた木の看板が一枚掲げられてあり、
『世界の盆栽樹中心、ココ』
なあんて書いてあるじゃない!
「・・・間違いない。っていうか、間違いようがない・・・」
ところでこの看板誰が書いてここに置いたんだろうなあ、なんてことをノベリットは考えたが、話がこれ以上ややこしくなっても困るのでとりあえずここは華麗にスルーを決め込んだ!!
「あ、あれを見てノベリット!」
そんなノベリットにノベリンが声をかけて、ひゅんと目の前に飛び舞い今度は左手の方をちょいちょいと指さした!
するとそこには木の根のようなモノが一部盛り上がり、中心がちょうど丼ほどの大きさで、すり鉢のような形となり、真ん中が管のように落ちくぼんでいる!
「あそこにドゥ・ミエストを流し込めばいいんだな?」
ノベリットはノベリンにそう尋ねた。
「多分そうじゃないの?展開的には?」
コメントが疑問形かつテキトーだぞ、ノベリン!
「ま、いっか。せっかく来たしなあ」
ノベリットはそう呟いて懐から茶色の小袋を取り出した。
「い、いくぞ。でも大丈夫かなあ」
袋の口の革紐を緩めながら、今更ながらに腰が引け気味のノベリットはそうノベリンに尋ねた。
「気にしたってしょうがないじゃない!そーれっと!」
「あ」
ノベリンは戸惑うノベリットの手を下から支えるようにしてひょいと舞い上がった!!
その勢いで革袋の中のドゥ・ミエストがさらさらと全部根で出来たすり鉢の中に流れ込んだ!
「わ!わ!マジか!」
慌ててノベリットは手を引っ込めたがもう遅い!!魔法の薬はすべて世界の盆栽樹の根の中へと流れ込んでしまった!
匿川 名 2020-05-29 00:04
「わー!ノベリン助けてデストローイ!」
下り坂をどこまでも滑り落ちながらノベリットは絶叫し続けた!
みるみる速度を上げるノベリットにノベリンは必死に羽ばたきついて行く!
「ひい!ひい!羽ばたくのって結構大変なのよ?!」
顔を真っ赤にしながらノベリンはあんぽんたんの勇者を追いかける!
下り坂は途中でくねくねと左右に折れ曲がったかと思えば一瞬登り、すかさずほとんど垂直降下!したかと思えば直後には一回転なんてしちゃったりして?!
「わー!設計したやつは三歩前に出ろーっ?!?!」
やけっぱちなノベリットはだんだん楽しくなってきてませんか?!
その後ろに必死の形相でノベリンが食らいつく!
「あ!坂がっ!」
そのノベリンが叫んで目を見開いた!
ノベリットも同じところを見ながらわっと口を大きく開いた!
なんと!坂が途切れているじゃない?!
すぽーんっ!とノベリットは途切れた坂から宙に舞った!
でも概ね地下に滑走したはずなので、結構な距離を下へと降りてきたはずだ。
なのにそこには広大な空間があった。
陽の光は届かないはずなのに薄ぼんやりと青、それと緑色に輝くのはあたりを囲む壁面だった!
幻想的に煌めくその壁の中をすっ飛んだノベリットは、ついに白い粉の中に顔面から突っ込んだ!
ぜえぜえ言いながら追いかけたノベリンはノベリットのお尻のあたりに止まって膝を押さえながら両肩で息をした!
「し、死ぬかと思ったわ。マジで」
そんなノベリンの下の方で、頭を粉の中に突っ込んだままのノベリットは息が出来ずにわたわたしている!
「ぶ、ぶはあっ!」
両手を振り回した勢いでどうにか頭をそこから引っこ抜いた勇者はこれまたぜえぜえと荒い息をついた!
「鳴ってたのはあんな曲のくせに、あ、明日があるのか分からなかった・・・」
そしてそんなことを呟く!
「まあ、若い僕には夢があるんだからいいんじゃない?」
ノベリンはそんなことを言っていたずらっぽくニヤッと笑った!
退会ユーザー 2020-05-26 21:44
「なんのこっちゃい?」
「さあ?こんなんだったかな?とにかく急ぎましょ!展開を巻いて巻いてって、天の声もうるさいんだから!」
「天の声?」
「いいから、早く!」
「しょうがないなあ。展開を巻けばいいのね?」
ともかく最初の一歩を踏み出すと、音がなった。
「何の音?」とノベリットはノベリンに尋ねてみたが、ノベリンは首を振った。
「知らない」
もう一歩下ると、また音がした。ただし、今度は音の高さが違った。さらに下がると、また音がした。
「お、おもしれえ!!何、この階段?」とノベリットはどんどん降りていった。その度に音がした。なんかどっかで聞いたことある気もしたけど、適当に降りてるから分からない。
「なんかの曲みたいね?」とノベリン。
ノベリットもやっと分かってきた。
「分かった!これ、明日があるさだ!しかもウルフルズバージョンーーーー!!!!」
と答えが分かった途端、階段は畳み、急こう配の坂に変わってしまった!
「わーーーーー!!なんでー!!ノベリン、早く!!離れると死ぬーーーー!!」
真っ逆さまに落ちていくノベリット。
「いきなりトラップ?やば!?追いかけないとあいつ死んじゃうじゃない!」
「ノーーー!!フューーチャーーー!!!!!]
ちょっとRPGぽくなったぞ、ノベリット!?でも、大丈夫?
退会ユーザー 2020-05-26 21:44
ノベリットとノベリンはついに洞窟を発見した!森の中にこんもりと雪で作ったかまくらみたいな入り口だった。他には特筆すべき点はない。
「全然、妖しくねえじゃん。へっくしょん」
「あれ?こんなんだったけ?」と、ノベリンも首を捻った。
「これなら楽勝じゃん!入口ももっと黄色くなってるかと思ったけど、全然だし」
それはノベリンも不思議に思っていた。花粉はここから妖精郷全体に飛散しているのだから。
「ともかく、中入ってみましょ」
「でも、真っ暗じゃん。灯りないの?」
「平気、平気。このステッキで灯りの魔法をね。シラク!」
呪文を唱えると、ノベリンのステッキの先がぽわ~っと光りだした。
「すげえ!じゃあ、行こうぜ!」
ついに、ノベリットとノベリンは妖しいダンジョンZZRへと侵入した。すると立札があり、その先に下方へと降りる階段がある。立札にはこう書かれていた。
『テンポとよくリズミカルにね!そうすればきっと、明日があるさ』
匿川 名 2020-05-11 22:36
なんと!ノベリーナが腰を抜かしてあわあわしている!
そしてその目の前には、紺色の品の良いスーツに身を包んだ背も鼻も高いおっさんの姿が!
おっさんは薄くなった白い頭髪を後ろに流して、ニコニコと微笑んでいる!
っていうか、ここ妖精郷は基本子供の国なのでは?!
「あ・・・足がない・・・出た!出たのじゃ!!」
指さすノベリーナの前で男は肩をすくめて見せた!
「あ、あなたはもしや、ジ○ック・シ○ク?!」
側近が驚いたように男の霊に問いかけた!
「ヨバレテ、トビデテ、ジャジャ・ジャジャーン!」
「ははあ、霊だから大人でも大丈夫なのですね?」
側近がそう言うと『ウィ』と男の霊は頷いた!
「いや、アレはあなたの名前じゃなくて明かりを付けるときの魔法だから!」
レイは慌てて今のナシナシといわんばかりに男の霊の前でバタバタと手を振った!
すると男の霊はどこかしょんぼりとした顔をしてふわりとかき消えた!
「ええい!さっきから脱線しすぎじゃ!さっさと行け!」
ノベリーナは半狂乱の体でキーッとそう言い放った!
三鬼衆はほうほうの体で宮殿を後にして、西の森へと向かうことにした。
まあそもそもノベリットもそうだが、本当にこんなので大丈夫なのか?三鬼衆!