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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]

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勇者ノベリットの冒険

かざぐるま}
かざぐるま
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!!
2013-07-11 19:30:04

コメント (196)

かざぐるま  2013-10-05 12:22
「分かりました、和夫さん。一応切ったふりをしますので、派手に苦しんで倒れてください。そして……」
ノベリットはゆっくりと伝説の剣を振りかぶった。
「一緒に冒険の旅にでませんか?」
意外な言葉に和夫は振り向いた。
「いいのか? 柄しかないサムライを仲間にしても」
和夫は仲間になりたそうにこちらをみている。

「あなたは何かを知っているようだ。一緒に旅をしてあなたが何者が知りたいです。では行きます!」
バッシュウウウウ!
切られたフリをして苦しがる和夫に背を向けた。
「また、つまらぬものを切ってしまった……」
ノベリットは低い声で呟く。
「それ言うと何かテンションあがるよね」
のけぞりながらこっそりと和夫は笑顔を見せた。
「ですね」

「勝者! ノベリーット!」
そして表彰台で賞金をもらった。ここまでは計画通りだ。
手続きも終わり、皮袋に入った大金を握り締めコロシアムを出ようとしたその時!!

匿川 名  2013-10-04 21:22
「実はね、僕のこの剣、『柄』しかないの」
途端にしょぼーんとした顔になる種田和夫さん!
確かに今の裂帛の気合いとともに、その手には柄が握られている!
しかし、それは柄だけで、刃体がない。
だから鞘に収まったままに見えたようだ!

「・・・鞘ザムライ?」

観客席からマナがどっかで聞いた映画のタイトルみたいな事を口にした!
「いや、この場合『柄ザムライ』だろ」
ノベリットが冷静に突っ込む!
「で、えーと種田さん。ところでどうして柄だけなんですか?」
ノベリットはなぜか丁寧な口調でそう尋ねた。
しかもふと気がつけば、また一人に戻っているが、それはさておく!

「以前無闇に人を切り過ぎちゃってお母さんに怒られちゃった。テヘペロ」

「すみません。心からご免なさい。失礼なことをお尋ねしました」

種田さんの恐怖の告白にひたすら低姿勢に謝るノベリット!
しかしそんなノベリットの目の前で、すっとまた、背を向けて種田和夫さんが腰を下ろした!
それは美しい絵画のような、ピンと背筋の伸びた正座の後ろ姿だった!

「切って下さい」

種田和夫さんは静かにそう言った!

「私を切れば、あなたの勝ちだ。ひと財産が手に入る。そうすれば、文無しのあなたは旅を続けられる。そして、辿り着くでしょう。あの『ニャース神殿』へと」

「なぜ、その事を」
目的地を言い当てられ、動揺するノベリット。
種田さんはノベリットに背を向けたまま、静かに背中で微笑む。
「さて、なぜでしょう・・・」

「切って下さい」

種田さんは繰り返す。

「切って」

更に、重ねてそう言う。

「切りなさい!」

ついにその声は、凛とした叱責になった!

その声に、伝説の剣を振り上げるノベリット。

そして!

かざぐるま  2013-10-04 15:53
そうだ! 五人いっせいに飛び掛かればいいんだ!
早速『分身の術』を唱える。
「俺が行く!」
「いや俺が!」
「だめだって俺が!」
「いやいや俺だって!」
ラチが開かない。こうなったらしょうがない。
「じゃあ、俺が!」←オリジナル
「どうぞ、どうぞ」

どこかでみたようなやりとりだが、全員が俺なのでボケるタイミングの空気は読める。お約束も終わったし、全員輪を作って一斉に和夫に飛び掛かった。
『ぬんっ!』
和夫が目にも止まらぬ速さで抜刀した。
した? いや、刀は鞘におさまったままだ。
いったいなにが!?

匿川 名  2013-10-03 00:08
 『武士道とは死ぬことと見つけたり』

「っておい!死んで花実が咲くモノか?!」
思わず剣に彫られた無責任な文句に突っ込むノベリット!

 『今のは嘘』

「そうですか」
そして何となく剣に彫られた文句と会話をしてしまうノベリットだった!

 『伝説の剣のひみつ機能その4・分身の術が使える』

「・・・分身の術?」

 『所有者を物理的に分身させ、最大五人に増やすことが出来る』

「ほうほう」

 『でもその五人は全部ホンモノ』

「ほう?」

 『だから切られれば痛いし、多分死ぬけど、一人とか二人が犠牲になっている間に残りの所有者が一斉にコイツをボコれば、単純計算で最後には勝てる!』

「・・・って、おい!分身しても、何人かは自分が死ぬんかい!」


 『なんの苦労もなく居合いの達人に勝てるわけがない』


思わず頭を抱え込むノベリット!
「ひみつ機能その4」は何だか分かった。
しかし、それを使ったところで犠牲が出るのは避けられない!
何か上手い手はないモノか?!

かざぐるま  2013-10-02 12:56
種田和夫さんの風貌は一言でいうと『普通の青年』だった。日本刀を無造作に腰にさし、飄々を間合いを詰めてきた。
「初めまして。楽しい試合にしましょうね」と白い歯を見せて手を伸ばしてくる。
「あ、いえ、よろしくお願いします」
和夫くんから殺気は全く感じられないが、わずかな前情報では『居合の達人』らしい。ということは……一瞬の抜刀でヤラれる可能性が高い。だが、ノベリットはその場の雰囲気で握手をしてしまった。
「みんな一瞬で倒れてしまうんだよね。でも君はなかなか楽しめそうだ」
そういうと背を向け、後ろを向き正座をした。開始の合図を目を閉じて待っている。
「ス、スキが全くないっ!」

そして、いよいよ開始のドラが鳴る。
しかしノベリットは動けなかった。近づいたら一刀のもとに切り捨てられてしまう。
ということは……。
「そうだ!!」
ノベリットは期待を込めて剣を見つめた!

匿川 名  2013-10-02 00:15

   『種田和夫』


・・・って、誰だそれは!?
「種田・・・タネだ・・・シード?」
マナが首をかしげながら、そんなことを言った!
「名前でシード権ゲットかい!」
思わず突っ込むノベリット!
「何だか東洋っぽい名前よね」
マナは平然と話を進めようとしている!
だからノベリットも気にしないことにした!

それに伝説の剣があれば、多分負けることはない!

ノベリットは勢い込んで、次の試合に向かうことにした!
どんな大男が出てくるのか?
闘技場に入ったノベリットを待っていたのは、意外なほどの声援だった!

「頑張れよ、兄ちゃん!」
「見直したぜ!次も稼がせてくれよな!」
「オラも応援してるっぺよ~~!!」

最後に聞こえた声がなんとなくアフロヘアを想起させたが、それはさておき!

「それでは対戦相手の、種田和夫さんです!」

コロシアム司会者のなぜか「さん」付けの紹介が気になる!
すると、闘技場の向こうのゲートから、歩き噂の種田さんが現れた!
しかして、その姿は!

かざぐるま  2013-10-01 13:46
中段に構えた刀の柄にはまた文字が現れていた。
「選択してね☆ a-剣史郎とメールする b-剣史郎と友達になる c-宮本武蔵を召喚する」
「剣史郎って誰だよ!! つかわっかんねえ! 多分、しぃぃぃぃぃぃ!!」
宮本武蔵も誰だか分からないが名前は強そうだ。すると……。
目の前に一陣の風と共にサムライが現れ、ノベリットの身体に吸い込まれるように入って行った。全身に力が溢れだす。

「もらったあ!!」
風を切りながら、青竜刀が袈裟切りに振り下ろされる。しかし紙一重でそれを躱すと、ノベリットはモヒカンの首筋に伝説の剣を軽く当てた。
「みね打ちじゃ。安心せい」
口から自分の声じゃない言葉が出てくる。
「勝者! 赤、ノベリットぉぉぉ!」
歓声に包まれると思い、ノベリットは観客席に手を振った。しかし聞こえるのはブーイングと、「かねかえせー!」という叫びだった。
完全なアウェイ感を感じ控室に戻ると、マナが待っていた。
「やったね! 勝つと思っていたわよ」
「おまえ……白札を持ってなかったか?」
「バカね、気のせいよ」

2回戦、3回戦と順調に勝ち進み、ついに決勝の時がきた。これに勝てば、船が買えるぐらいの賞金がもらえるはずだ。
相手は決勝までシードで来たという。
その名前を見てノベリットは息を飲んだ。まさかこいつは!!


匿川 名  2013-09-30 22:00
『~現在お昼休み中~ 伝説の剣』

「な、なんだってええ~~~~っっっ!!」
そのあまりにアレな文句に絶叫するノベリット!
お昼休みで抜けない伝説の剣なんてアリか?
「ヒャッハー!こなけりゃこちらからガンガン行くぜぇ!」
モヒカンは良い感じで小悪党っぽく絶叫し、青竜刀をぶんぶん振り回す!
鞘に収まった件ままの剣でどうにかこうにかそれをいなすノベリット!
しかし、この無茶振りの防戦ももう限界と言えば限界だ!
「ガウ・・・(やれ、儂が出るしかないのかのう・・・)」
そんなカイザーの諦めにも似た呟きが、コロシアムの隅にそっと響いた!
その時!

  ガシュウウーーンン!!!

突然鋭い金属音を立てて、伝説の剣が鞘から抜けた!!
「ぬ、抜けた!」
ついに抜けた伝説の剣を振り上げ、肩口に構えるノベリット!
見た目だけは様になっているぞ!
「でも、なんで急に抜けたんだ?」
ふとそう思い、柄の当たりを見るノベリット!
するとそこには!

『~うるさいので昼寝から起きました~  伝説の剣』

とか書いちゃっていたりして!
まあ、とにかく!
構えるノベリットの剣筋から、青白い炎のような影が揺らめき、立ち上る!
モヒカンの眼が細くなり、明らかにそれまでとは違うノベリット、もとい伝説の剣の様子に注意を払っているようだ!

「ふふふ・・・今の俺はさっきまでとは違うぞ?」

調子に乗ってカッコイイことを言うノベリット!
すると、モヒカンの目は完全に遊びの色を失って、マジになっていた!
ふとその事に気がつくノベリット!
やばい、マジ殺し合いになるかも?!
どうやら相手はこちらの命を殺りに来る気満々のようだ!

どうする、勇者ノベリット!

かざぐるま  2013-09-29 11:58
「レディースエンドジェントルメンッ! ただいまより第15回戦を開始しまっす!」
コロシアムの観客は地面を踏みしめながら歓声を上げる。建物全体が揺れ、異常な熱気が伝わってきた。
「ヒャッハー!! そのほっそい首をキレイに飛ばしてやるぜぇぇぇ!」
青竜刀を長い舌で舐めまわした後、その片目に殺意を浮かべながら襲いかかってきた。
「ノベリット、がんばってええ!」
マナの声にちらっと観客席をみると、明らかに白い札を持っている。
「ふ……おまえは札を間違えている」
渋い声で行ったのち、余裕を見せながら伝説の剣を抜く、いや、抜けない。
「ちょ、抜けない! ちょっとタイム」
刀を抜く格好でモヒカンから逃げ回る、ノベリットの滑稽な姿に観衆は腹を抱えて大笑いしている。
ほうほうの体で逃げ回りながら、刀の柄の文字を読むとそこにはっ!!

匿川 名  2013-09-28 23:31
ふと右肩を誰かにポンと叩かれた!
「ん?なんだ?」
ノベリットが右肩を見ると、
「ハイ、次のエントリー!」
年老いた白髪の男がそう言って、大きな木の印を持って歩いている!
ノベリットが自分の肩を見ると、

【バトル参加者】

なんて赤く印が押されているじゃないですかってば!
「そ、そんなバカな?!」
呆然としているノベリットの腕を、いきなり両脇から屈強な男二人ががっしりと掴んだ!
「さあ、次の死合ですよ」
「ちょ、文字だけど『死合』って何?『試合』じゃないの?!」
ずるずる引きずられ、ポイと放り込まれたのは、円形の闘技場だった!
しかも逃げようにも、四方を柵で囲まれている!
対して、ノベリットの向こうには、某北斗七星の格闘漫画に出てきそうな、いかにも悪そうなモヒカン眼帯男が、拳の骨をポキポキ鳴らしながら立っている!
おまけに腰には邪悪極まる青竜刀を標準装備だ!

「がんばっぺ~!オラを儲けさせてくんろ~!!!」
そんな声にノベリットが振り向くと、そこにはさっきのアフロ男が拳を振り上げて立っていた!
よく見ると、その手には賭け札が握られている!
さらに言えば、あの札の色は白、つまり、ノベリットの相手が勝つ方の賭け札だ!
「は、図られた!」
そう呟くノベリット!
「頑張って!ノベリット!」
マナの声援がむなしく響く!
ふとそちらを見た時、なんとなくマナが白い札を握っていた気がするのは、やはりどうにも気のせいだと思いたい!
その時、闘技場にゴングの音が鳴った!
どうする!ノベリット!

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