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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]

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勇者ノベリットの冒険

かざぐるま}
かざぐるま
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!!
2013-07-11 19:30:04

コメント (196)

匿川 名  2019-01-25 23:46

世界を『紡ぐ』のは何であるのか。
その問いに立ち返るなら、『人』と答えるべきなのだろう。
あらゆる命に意思があるなら、あるいは、
あらゆる存在に意思があるなら、
その観測する数多の事象は、ただそこに在るだけなのに、意味を見出そうとするものは、万物において『人』のみに過ぎないからだ。

故に人は紡ぐ。
他者と己の物語を。
故に人は問う。
他者と自分の均衡とその差異を。
故に人は問う。
己が何者であり何を為すべくしてそこに在るのかを。
故に人は問い、墜ちていく。
答えのない虚数の中に自らの価値を、意味を求めて、

其処に答えなどありはせず、それが故に、無間とも等しい己が内側の深い深い穴へと只管に落ちて征き。

そして、果てなく落下しつつ、なお人は問う。

『私はなぜ、そこに在るのか』と。

ならば、私は答えよう。
虚無であると応じるのはあまりに容易いので、
ただのひと言により、
刻んでしまおうと、

詰まりは、
それが、

「おこがましい問いであるとなぜ気がつけないのか」と。

足掻き、足掻き、藻掻いて藻掻く。
薄々気がついているはずの自らの存在意義を認めたくないばかりに。
盲(めしい)ているのではなく、見ないでいるのは、己が瞼を閉じている為なのに、
頑ななほどにそれを認めず、拒み、
譫言のように繰り出される言葉の羅列こそが、

そう、お前が紡ぐ世界の在り方で、
人の為す『業』そのものの、
高熱に浮かされるような、
陽炎のごとくに棚引き揺らめく儚い呟きこそが、

お前と、お前を取り巻く世界のすべてであり、

此処に在る遍く世界の法則であり、途であり、

果ての冷たさを抱え込んだ、

『記録そのもの』であるのだと、
いまこそ、
――汝は識るべきなのだ。

匿川 名  2019-01-13 10:55
すると、禿頭の男の指先にすうっとトンボが一匹降りてきた!
一同は目を丸くしてその様子を見ている!
「とまあ、これが私の特技でねえ。私が指を立てるとトンボが飛んできて、そこに止まるという秘術さ。
・・・ちなみに今までの人生で、何の役にも立ったことはありません」
男のその独白に一同は『ズコーッ!』と、今時珍しい古典的擬音とともに盛大にずっこけた!
「ところで、ここ数年のお話の進まなさって言ったら『ベル○ルク』並みね・・・」
とアニエスがメタな発言をした!
「しっ!ファンタジーと言うだけしか共通点がないのに、あんな名作と比べるとはおこがましいにもほどがある!ベ○リットにされるぞ!」
慌てたノベリットがフォローにならないフォローを繰り出した!
「わんわんわおーん(マナ、とりあえずサービスカットで間と読者をつなげ!)」
カイザーまでノッて来ると収拾が付かなくなるんじゃない?!
「う、うふーん!」
カイザーの押しで、何となくノリで身体をくねらせているが、マナ!小説ではセクシーポーズは見えないしよく分からないぞ?!?!
そんな一同の様子に深いため息をつきながらカナが頭を垂れている!

その時!

「――あれは何?」

ふと我に返ったマナがそう呟いて、東の空を指さした。
場の一同が視線をそちらに向ける。
すると、そこにあったものは、


エメラルドに似た深い緑色をした『しみ』だった。
稜線に接する空の端に、
例えば絵具の乾かぬ水彩画に、誤って落とした水下を帯びた別の絵具のように、
青い空のただ中に浮き、にじみ、そして、

―――緩やかに、実に緩やかにではあるが、それは確実に広がりつつあった。

匿川 名  2018-02-08 09:40
「祝!放置一年!」
禿頭の男が相当唐突に天に向け絶叫した!
「まあ、それはさておき」
ノベリットはそう呟いて軽く咳払いした!
「わんわんわおーん(さておいて良いのか?)」
カイザーはそうぼやいているが、まあ、この際どうでも良いような気がしないでもないので、禿頭の男は話を続けるべくふうと一度息をつき場を見渡した!
「で、延べ川松左衛門ですが、伝説のシリアルキラーです」
「んえ?!」
アニエスがピーナツを喉に詰めた在りし日のサ○エさんのような顔で目を白黒させた!
「シリアル・・・キラー?」
急に真面目な顔になったノベリットが男の顔をのぞき込んだ!
「そのようで・・・合い言葉は『一日一殺』。連続記録は殺し始めから今まで途絶えたことがないとか?それで、その奴めが最近狙っている獲物がいるそうなのでねえ」
「それは・・・物騒ですね」
カナが眉をひそめてそう呟いた!
「あんたがそれを言うかい」
と、小声でマナが独りごちた!
「それで、延べ川松左衛門は誰を狙っているのかな?」
自分から話題が逸れたノベリットは気持ちウキウキでそう尋ねた!
すると、
すっと男の手が人差し指を立てて、まっすぐ前に向かった!
その指先にいるのは・・・ノベリット!
「んえ?!」
ま、まさか何となくお命まで狙われちゃってるの?!

匿川 名  2017-02-08 00:11
「『延べ川松左衛門』・・・奴か、奴なのか?!」
そう呟いたのは、連載がここに至るまでまったく影も形も見たこともなく、唐突に現れた禿頭のおっさんだった!!
「あ、あなたは?!」
ノベリットが何かに心底ホッとしたように呼びかけると、その禿頭の男は
「ふふふ・・・私は延べ川松左衛門を仇敵として追う男・・・」
なあんてかっこ良くニヒルに言っちゃうんじゃない!
「わんわんわお?・・・(およそ五ヶ月ぶりの更新がこんなテキトーな展開で良いのか?)」
なんてカイザーは呟いてるが、知ったこっちゃないのです!
「しかし、なんだか和風な名前ですね」
とアニエスが鼻をほじりながら呟いた!
・・・て、キャラがやや崩壊しているが、流石にこの放置期間の長さから少しやる気を失っているのか?!
「ま・・・まあ、ともかく!手がかりが出来たじゃないか!で!?その延べ川松左衛門とか言うお方、いや、野郎は何者なのでございますか?!?!」
ノベリットは『ここが狙い目』と言わんばかりに食いついてくる!!
しかし、禿頭の男は自分の頭をなでなでしながら不適に微笑むばかりで、続く言葉を発しようとしない!
なぜだ!一体なぜなんだ?!?!?!

匿川 名  2016-09-21 22:51
「オレ・・・彼女いない歴・イコール・年齢だから!」

最終更新から四ヶ月、ノベリットの絶叫が辺りに響いた!
しん、と一同が静まりかえった!

「・・・なんだよ・・・な、なんだって言うんだ!どうして誰も目を合わそうとしない!!」

「や・・・あの・・・その」

アニエスはそう言って顔を伏せたままだ!
マナは横を向いている!
カイザーに至っては何とも言えない感じで俯くばかりだ!
どうするノベリット!
自分は全く悪くないのに、何だか非常に気まずいぞ!?!?

「でも・・・でも!だとすると、ここに書かれているヒトは一体・・・?!」

混乱しながらマナが呟いた!
すると、そこで誰もが予想しなかったことに、一同の背後から!

匿川 名  2016-05-08 21:03
「・・・心当たりがまるで無いっす・・・」
ノベリットは戸惑うように呟いた!
「そんなのウソ!だって、姉の手紙があるんです!これがそうです!」
マナはそう言って懐からボロボロになった羊皮紙を取り出した!
文字は掠れて読みにくいが、まだいくらか判読できそうだぞ!
「どれどれ」
そう言ってアニエスはマナから羊皮紙を受け取り、破れないように気をつけながら広げた!
場の一同が『どれどれ』とのぞき込む!

「ええと・・・読みにくいな。
 『前略お父様お母・・・様、私は元気です。ところでSTA・・・細胞は・・・・ありまぁ・・・』」
「その辺は飛ばそう」
ノベリットのひと言で、何となく気になるようなならないような冒頭の読みにくい場所はあっさりと読み飛ばされた!
「・・・念願叶って・・・魔法使い様と会うことが・・・出来て・・・ともに働く・・・私はついに本来の女性の姿に・・・ところで、今私にはお付き合いをしているフィアンセが・・・名前は・・・」
悪戦苦闘しながらアニエスが読み進めるのを、一同は固唾をのんで見守った!

「その方の名前は・・・

   『ノベ・・・ット』・・・!」

「『ノベリット』です!」

掠れた字を拾いながら読むアニエスに向かって、マナが激しい口調でそう断言した!
一同の目が、ノベリットにじとっと注がれる!
「そ、そんな!ウソだ!無実だっ!!!!だ・・・だって!だって!」
震える声でノベリットは取り乱しながらわめいた!
そして、こんな風に叫んだ!

匿川 名  2016-05-07 08:45
「姉は、昔・・・兄だったんです」
マナは小さな声ながら、はっきりとそう呟いた!
「子供の頃から自分の性別に違和感を感じていたそうです。それに両親の手伝いをする私たちを見て、漠然と何かを感じていたと言っていました。そして兄が16歳になったある日、置き手紙を残して兄はいずこかへ去ったのです・・・」
「わんわんわお?(その手紙には、なんと?)」
カイザーがマナにそっと尋ねた!

「お父さんお母さん御免なさい。でも、止まれぬ事情だとお察し下さい。私は私の願いを叶える魔法使いを捜す旅に出ます。そして、

  『私もいつか、立派な看板娘になります』

と・・・」

「そ、そうか・・・それは大変だな」
ノベリットは辛うじてそう呟いた!

(はて・・・女剣士の噂・・・そう言えば聞いたことがあったな)
カイザーはその会話から何かを思い巡らせている!
(・・・屈強な女剣士・・・貴奴の配下に居たと聞く・・・名前は忘れたが、確かその剣技は体躯に似合わず極めて繊細、水中を泳ぐ魚に向かえば一振り、瞬きの間に三枚におろしてみせるとか。マナの兄が願いを叶えるために『魔法使い』を求めたとするのならば・・・あるいは・・・真逆・・・)

カイザーが何気にそんな不穏なことを考えている間にも、マナのお話は続く!

「その兄から、ある時私方に手紙が届きました。その中で、兄は自分が既に『姉』になったということ、偉大な魔法使いの元で働いているということ、それに加えてある人と・・・恋仲になっているということを伝えてきました」
「ある人」
ノベリットがオウム返し的に呟いた!
ところが、そんなノベリットをマナは再度睨み付けて、

「それが、この人なんです」

と告げた!
って、マジかっ!マジなのかノベリット?!?!?!?!



匿川 名  2016-05-04 23:51
「私の両親は小料理屋を営んでいました。私とカナはそこでお手伝いをしていたんです」
マナはこの場面の最終更新から実に10ヶ月後、ついに語り始めた!
「ほう、小料理屋か」
アニエスはそう呟いた!
「わんわおーん?(旨かったのか?料理は)」
カイザーの問いにマナはそっと首を横に振った。
「・・・味はおよそ壊滅的でした。身内の私ですら『なんでこれで営業しているんだろう』って神経を疑うレベルです」
その淡々とした答えにカイザーは一度ぶるっと身震いをした!
「でもたったひとつだけ『絶品』と言える料理がありました。それが母が作る『だし巻き卵』です。お客さんはみんなだし巻き卵を食べていきました。だけどそこには問題があったんです」
「それは?」
アニエスは眉間に皺を寄せてマナに尋ねた!
「私のいた所では卵は高級品で、採算が取れなかったんです。だから経営は厳しかったようです」
カイザーはその答えに対し、ため息をつくかのように項垂れた!
「それで、そのだし巻き卵がこれとどう繋がるんだ?」
アニエスは右手の親指でぐいとノベリットを指し示した!
ノベリットは間抜けな感じで右の人差し指で自分を指し示している!
「・・・いえ、何の関係もありませんが」
マナの言葉に、一同が『へっ』と目を丸くした!
「や、じゃあ今のだし巻き卵の話は・・・?」
「あ、いえ、両親の小料理屋について味を尋ねられたので何となく流れから・・・」
「なんじゃそりゃっ!」
ノベリットがギャフンとツッコミを入れた!
するとそれを咎めるようにマナがキッと睨み付けた!
その視線の鋭さに、ツッコミを入れた方のノベリットが身を縮めてしまった!
「閑話休題、私方は三姉妹なんですが、問題があったのは長女でした」
「『閑話休題』ってリアルな会話で言うヒトを初めて見た・・・」
ノベリットの更なるツッコミをマナは意に介さない!
「長女のイナには『問題』があったんです」
マナはさらに淡々とした調子で続けた!
「問題とは?」
アニエスが尋ねると、マナはうつむき気味に、
「・・・です」
小さく、衝撃のひと言を呟いた!
「・・・ほ、本当かっ!!!」
アニエスがよろめきながら片手を自分の頭にあてがい、聞き返した。
ノベリットは驚愕にその目を大きく見開いた!
何だ!一体何なんだ!

匿川 名  2016-05-04 20:23
神話よりも古く、あらゆる意識よりも深いところで、凡そ万物の干渉が及ばぬ『理の力』は端正としか言いようのない在り方でただそこにこそ在った。
届けば分け、触れれば割く。
それが其の在り方であり、存在するべく意義であった。
闇雲ではなく、無為でもなく。
『在り方』とは遍く存在の『意味』であり『意義』である。
意識的で在るかに関わらず、真理とはそうしたものであり、冷徹そのものである。

『まことのことわり』

ヴィットルタは今其の『在り方』と対峙していた。
巨大な亀は大地をその背に乗せ、幾万の年月を生きてきた。
だが、あらゆるものには始まりがあるのと同様に、終わりが必ず存在する。
ビッタルトが感じるのは自らの『死期』そのものであった。

『いまわのきわ』

ヴィットルタが今在るのはまさにその時であり、しかし観測するものの不在は、この悠久といえる年月を生きてきた亀の時間を計るに能わず、『際』そのものの長さを知ることは、それこそ『神』にしか適わなかったことであろう。

だがそれも、そもそも、『神』という概念が余人に観測できる明確な『概念』として存在するのであればではあるが。

息を吐き、また吸う。

凡そ長大としか言いようのない時間をかけて、亀は其の吐息をまき散らし、また辺りの空気を吸い上げていく。

「ああ」

と亀は呟いた。
あらゆる世界を識り、時に見てきたことを自負するこの『世界を背に乗せた亀』は--

「ああ」

星を仰ぎ、

彼方へ目をくばせ、

「あああ」

頼りない一息のもとに、その生命を、息吹のすべてを、

終わらせ、息絶え、

此処ではない--言いようのない彼方への旅路へと就いた。


(あ、今更のネタですが『ヴィットルタ』はturtleの逆さ読みをさらにもじってテキトーに命名しました・・・てか、このアップ分では命名した自分で名前を書き間違えていたのでこっそり修正しました(滝汗)

匿川 名  2016-04-28 23:48
・・・その頃、『魔炎の山』では・・・

「愚か者どもが集まっておるわ」
口の端をひん曲げて、乾いた笑みを浮かべる男はひび割れそうな皺も深く、御伽噺の魔女然とした邪悪な笑声をさらにからからと上げた。
その目の前に鎮座するのは水晶球である。
紫色の骨のような形をした台座に重ねられたその中に、映し出されているのは専ら狼狽えるばかりの勇者――ノベリットの姿であった。
取り囲む映し鏡のような少女ふたりと、女剣士の姿を眺めながら、その邪悪の権化のような男は鼻を一度ふんと鳴らした。
「愚図、屑、阿呆と間抜けか」
気まぐれに世にも汚らしい物を目にしたかのような、至高の立場から下水の底の汚物を眺めるかのような、哀れみと高慢と、高揚と冷徹が入り交じったかのような視線はひたすらに水晶球を通じて彼らに注がれ続けた。
その視線をなんと表現すれば良いのだろう。
羨望、焦がれ、憎しみ、嫉み、畏れ、愛、憎悪、それこそ人という種が抱きうるあらゆる感情が渾然としてそこに在り、閃き、揺らぎ、霞み、そしてまた灯るかのようだった。

突然、
ははっとその男は、
――笑った。

その視線が注がれるのは、ただ一点。
水晶球の中の一団に添うように在る『犬』の存在にだった。

「なあ・・・未だなのかよ。未だ、吾は主を待つのかよ・・・」

男の顔は邪悪のままに微笑み、張り付いたその笑みは彫刻刀で抉ったような皺を頬に刻み、なおかつ声は悲嘆に満ち――
全てがかみ合わずちぐはぐだった。
そんな男を、男の在り方を説明する言葉はきっとひとつしかない。

男は静かに、しかし間違いなく――完全に狂いきっていた。

(うわあ、なんか超マジメな話っぽい?!?!?!)

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