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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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マ界少年ユーリ!

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第3話 OH エド捕物帖オウジサマン!4


 街外れの料亭でお偉いさんと商人が密会していた。二人のあだ名は?ちょんまげ?と?たぬき?らしい。
「エチゴヤ、おぬしも悪よのぉ」
「いえいえ、ダイカーン様には敵いませんよ」
「あーははははははっ!」
 国の大事な某役職に就いているというダイカーン(本名)と、アステア王国であくどい商売でボロ儲けしているとウワサのエチゴヤ(本名)。二人が揃って悪の風が吹かないハズがない!
 お下劣な顔したエチゴヤが、わざとらし〜く菓子折りをダイカーンに差し出した。
「おっと、忘れておりました。ダイカーン様のお好きな黄金色の菓子でございます」
「おお、ではさっそく……」
 ダイカーンが箱を開けると、中には金塊が詰まっていた。賄賂だ!
 金塊に手を伸ばそうとダイカーンがすると、エチゴヤは箱をすっと引いた。
「なにをするのだエチゴヤ?」
「いえ、これをお渡しする前に、アレはどうなったのかとお尋ねしたいんですが?」
「う〜む、アレか……」
 ダイカーンは難しい顔で腕組みをした。きっと悪巧みがうまくいってないのだ。ケッ、ざまあ見やがれ!
 エチゴヤも不安そうな顔をしている。
「どうかなされたんで?」
「それがな、エルザが当日に視察に来るらしいのだ」
「あの堅物の女ですかい?」
「ヤツはクラウス王のお気に入りだからな(若造のクセにホイホイ出世しおって、どうせ体を売っているに違いない。汚い女だ)」
 ダイカーンたちが危惧するということは、きっとエルザは清廉潔白な正義の味方に違いない!
 体を売っていたとしても、きっとそれは純愛だ!
 と、いう感じで、悪役に対する正義を勝手に妄想してみたり。
 とにかく、エルザという人物の詳細は妄想の域を出ないが、エルザの登場によってダイカーンたちの企みが失敗する可能性があるらしい。
 しかし、エチゴヤは余裕の笑み。
「ですがダイカーン様、ドラゴンファングが対決を辞退すれば我々の不戦勝、あの店に勝ったとなれば、あっしらがひいきにしてる店も大繁盛、王国の武器や防具の受注を一手に握ることも可能ですぜ」
「わしらが手をくださずとも、あの店のオヤジが行方不明になってくれたのは運がよかったな」
「そうですとも、運は我らの味方ですよ。エルザなんか恐れるに足りません」
「そうだな、あーはははははっ!」
 ふんぞり返って笑うダイカーン。そのまま重力に引かれてゴン!
 お約束の後頭部強打。
 特にこの話題を引っ張ることもないので、さっさと次の展開が起ころうとしていた。
 廊下を慌てたようすで走る音。
 障子を開けて若造が部屋に飛び込んできた。
「大変ですぜダイカーン様!」
「おう、どうしたのだゴンベエ?」
「薔薇仮面から挑戦状が王宮に届いたそうですぜ。鍛冶対決を邪魔しようと企んでるそうで」
 ダイカーンとエチゴヤは顔を見合わせた。
「わしらの企みに気づきおったのか?」
「万が一、そのようなことがあっても薔薇仮面を始末すれば済むこと、ヤツを始末すればダイカーン様の手柄となり、一石二鳥というものですよ」
「あーははははっ!」
 ――ゴン!
 この話題には触れません。