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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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マ界少年ユーリ!

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第2話 ドリームにゃんこ in 夢(む)フフ7


 すぐにルーファスは?変な男?を追ったつもりだったが……見失った。
 定番というか、黄金パターンというか、見失うのは仕様だ!
 A.もしもし、バグを見つけたんですけど?
 B.それは仕様です。
 A.あのぉ、これって設計ミスじゃないんですか?
 B.それは仕様です。
 A.ルーファスがへっぽこなんですけど?
 B.それは仕様です!
 次に見失ったルーファスの身に起こることは?
 1. 助っ人登場。
 2. さらなる不幸。
 3. 思わぬ展開。
 答えはどれだ!
 ルーファスは?変な男?を探して辺りを見渡していた。
 すると突然、上空から少年の声が降ってきた。
「危ない退け!」
 空から降ってきた少年がルーファスの脳天をキーック!
「もぎゃ」
 奇声を上げならルーファスは地面に転倒した。
 ルーファスの瞼の裏を泳ぐ美しい光景。
 華やかに咲き誇る花畑。み〜んな曼珠沙華、別名シビトバナだった。
 小川の向こう側からルーファスに向かって手を振る――アフロの爺さん。
「ジョー、立つんだジョーンズ!」
「僕の名前ジョーンズじゃないし!」
 と、大声で叫びながらルーファスは目を覚ました。
 自分を覗いているフードの少年にルーファスは気づいたが、まだ意識がぼんやりして声も出せない。
「先輩……ルーファス先輩……大丈夫ですか?」
「……ダメ」
「しゃべれるなら大丈夫そうだな」
「君は……(見覚えがある気がするけど……)」
「俺ですよ、二年生のジャドです」
 そこに立っていたのは自称殺し屋一家で、ネット通販大好き、でもその正体はクラウス魔導学院二年生のジャドだった。
 今日もフード付きのローブで全身を隠しているジャドは、手袋をはめた手をルーファスに差し出した。
 それを借りて立ち上がったルーファスは、頭痛が痛い頭部の頭を手のひらの表で押さえた。頭を強打したルーファスはまだ本調子じゃないようだ。
「あーっ頭痛が痛い」
「それを言うなら、頭が痛いです(語学力がないな)」
「別にどっちでもいいよ。あーっ頭痛が痛い」
「申し訳ないことをした。シャルロット嬢を追っていたら、たまたま先輩の頭に着地をしてしまいました。お詫びと言ってはなんですが、今度俺に依頼があるときは一〇パーセントオフで引き受けます」
 そう言いながらジャドは割引券をルーファスに手渡した。
「あ、ありがとう(別にもらっても使い道がないような気が……)」
「その割引券は無期限、他の割引プランとも併用して使えます。裏に書いてある番号はギルドでなく、オレのケータイに掛かるようになってますから」
「ギルドに所属してるの?」
「ええ、シャドウクロウに所属してますが、割引券はオレに直接依頼をしてもらわないと使えませんから気をつけてください」
 シャドウクロウと聞いてルーファスの顔色が曇った。
 あそこは無認可のギルドで、金さえ払えばどんな仕事でもする。汚い仕事にも手を出し、悪いこともしちゃってるなんてウワサもある。良心的な一般市民から見たら、ただのゴロツキ集団で評判も悪かった。
 ただし、実力主義なので、ギルド員の素性にはこだわらず、優秀な者も数多く在籍しているのも事実だ。そのため、この辺りでは二大ギルド勢力の一柱を担っている。
 そう言えば――と、ルーファスは口を開く。
「誰かを探してるんじゃなかったの?」
「ええ、シャルロット嬢ならもう確保しました」
 マジシャン並みの手際よさでジャドはデブ猫を出した。
「にゃーっ!」
 デブ猫のツメがルーファスの顔を引っ掻いた。
「いたーっ!」
 猫はマヌケの顔を引っ掻く――仕様だ!
 ジャドはデブ猫をさっとどこかに隠した。
「申し訳ない先輩。お詫びに三パーセントオフの割引券をやりましょう」
「あ、どーも(もらっても役に立つのかな)」
「ところで先輩、こんなところでなにをしてるんです?」
「実は人を探してるんだけど……」
「俺が探しましょう。今回は初回特別割引で二五パーセントオフにしときますよ」
 割引券が役に立つときがキターっ!
 三八パーセントオフということは……いくら?
「あのさ、料金はいくらなの?」
「そうだな……さっきのシャルロット嬢は一日、四〇〇〇ラウルの契約で、成功報酬は一万ラウルです。先輩は知り合い特価ということで成功報酬なしでいいですよ」
「四〇〇〇ラウルってうえめぇ棒が二千本買えるよね(そこから二五+十三パーセントオフで……いくらかわらない)」
「どうですか、俺を雇いませんか?(ルーファスの親父は宮廷に仕える三神官らしいからな、うまくいけばコネを作れるかもしれない)」
 思惑とはなかなかうまくいかないでものである。
 ルーファスは急に頭を下げた。
「ごめん、また今度ね!」
 なぜか走って逃げるルーファス。
「(サイフ持ってないとか今さら言えないよ、あはは)」
 このとき、ルーファスはまだサイフの中身が、ぜ〜んぶスイーツになっていることを知る由もなかった。
 ちなみにさっきの答えは、空から人が降ってくるという?思わぬ展開?で、降って来た人物と激突するという?不幸?が起きたが、それが?助っ人?のジャドだった……けど、お金がなくて雇えなかったが正解でした♪
 当たるかそんなの!