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ショートショート まとめ

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神々の怠慢



何故、毎日がこう慌ただしく過ぎていくのだろうと、勝又は思った。それなりに充実感はあるのだが、自分がまるで何者かに操縦されているような気もしてくる。

今、三〇代になったばかりなのに、高級住宅地に瀟洒な自宅を構え、人もうらやむ生活なのに何か不自然であるという感覚がつきまとった。

不自然といえば、幼なじみである真毛の最近の様子も気にかかった。動きに生彩を欠き、まるでスローモーションの画像をみているようだった。真毛は親の歯科医院をついだものの、近所に出来た洒落たクリニックに客をとられ、青息吐息のようであった。特に腕が劣るという訳でもなく、人当たりが悪い訳でもない。

自分が瀟洒な家に住み、真毛は明日をも知れぬ歯医者であった。


「時の神様、また早送りしたり、遅くしたりして遊んでいるでしょう。それでは不公平になってしまいます。公平の神様が黙っていませんよ。」
時の神は、まずい所をみられたかという風に、首をすくめたが、思い直したように運の神に向かって言った。
「あんただって、仕事をさぼっているのではないの。下界では勝ち組だ負け組だと差が広がっているではないか。もうすこし自然な感じにしないと、それこそ公平の神様が怒るのではないのか」
 時の神と運の神はそこで、顔を見合わせた。
「公平の」と時の神が言った。
「神様を」と運の神様が言った。
「最近見かけないなあ」二人同時に言った。

そのちょっと前、公平の神は「やれやれ、凸凹を均すだけの毎日か。イヤになったなあ。何か楽する方法は無いかなあ」とブツブツ言いながら手の平で庭の砂を均していた。ふと木の下に立てかけてある熊手を見つけ、「これだ、これでザザザーッと何往復かするとすぐ終わるなあ」と喜んだ。
「ただ、往復するだけじゃ面白くないな。そうだ河の流れのようにしてみよう」と見事な絵模様を創り出した。それはまた見事な陰陽を持ち、「やはり、真っ平らよりこの方がいいじゃろ」と頷いた。

そして、地上では相変わらず不公平で、多彩な人生が繰り広げられている。