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近頃おもうこと

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その2


二年ほど前から、疎遠になっていた友人と密な付き合いが再開した。ご主人が亡くなってから特に近しくなり、以前の彼女とは別人のように気弱になり、私に対して上から目線の対応をすることはなくなった。

以前には感じられなかった彼女の可愛らしさみたいなものを感じている。最近彼女に抱いている感情は、認知症に近づいているのではないかという懸念だ。
認知症気味の人と付き合うのはとても大変だ。
自分が言ったことや私が言ったことを忘れる。自己中心の物言い、同じことを何回も繰り返す等々。それに会話はマイナス思考なので近寄りすぎると引きづり込まれそうになる。

私はこれまで子供や夫のことで苦労をしてきたが、常にプラス思考で生きて来たように思う。結果として夫は思っていたより長生きをして亡くなり、子供達は力強い中年の女性へと成長した。

私が心配してやることは何もないのである。
もちろん案じてはいるが、しゃしゃり出て物申すことは全くない。
子供に関することは私自身がした苦労の経験と専門家のカウンセリング、心理学の多少の勉強などで身に付けたことを小出しにしてアドバイスすることはあるが、私の意見をかなり参考にしているようだ。

作品名:近頃おもうこと 作家名:笹峰霧子