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人生の織物

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人生の重荷 その1



人が背負う一生の重荷は同じであると言われる。
年代別で考えると子供時代に幸せに過ごした人、それが三十代、四十代、五十代に亘って続くかもしれない。そして運が良ければ六十代も七十代も。それでぽっくりとあの世に行けば、重荷を負わずして、しかも死に方までも楽にあの世に逝く。
そのような人もいるだろうか。
居ないとは言い切れないナ。

私は出生からして普通の家庭で産まれた子ではなかったが、母はひとりで一生懸命育ててくれたのだと思う。母の父親が先見の明があって、母に医師という職業を身に付けさせた。それだけの才能があり財力にも恵まれた家庭だったのだろう。
だがその先が苦難の道を自らが選び、私を育てながら老年になるまで医者としての仕事をした。

遠い昔のことだが、田舎の村の子供達は貧しい家庭の子も多かったように思う。収入も良かった母は私にいつも可愛らしい洋服を誂えて自己満足していた。側からみれば私は何不自由のないお嬢様と見られたかもしれないが、母子家庭での暮らしは決して幸せとは言えなかった。

叔父夫婦や祖母と同居して、母と二人切りの生活ではなかったのでそれほど寂しくはなかったが、普通の家庭のように両親がいて、兄弟姉妹がいるという賑やかな家庭ではなかったので、一人っ子の私は幼児のときから近所の子たちにいじめられたり、妬まれたりした記憶がある。

私は小学校から高校に至るまで真面目に勉強をし、先生には可愛がられた。
だが、中学になると生徒たちは自我が生まれるので、勉強ができたり家が裕福だったりすることでいじめを受けることだってある。私はそういう状況の中で勉強とピアノの練習をして頑張っていた。

作品名:人生の織物 作家名:笹峰霧子