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だるま

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一流のだるま職人になるには五〇年を要する、とも言われます。
 それでは、だるま製作の工程を見てみましょう。
 伝統に則って、以下全てが手作業です。

1. 溶かした紙を、だるまの木型に丁寧に重ね貼りします。頭から指先、つま先まで全身を張り終えたら天日干しにし、十分に乾くのを待ちます。その後切れ目を入れて木型を外し、痕を膠(にかわ)によって塞ぎます。

2. 生地を調整します。だるまのモデルは、少林武術の始祖とも言われる達磨大師です。従って、だるまの手足に、筋肉をリアルに表現していきます。腕では、三角筋、上腕二頭筋、伸筋、屈筋、全て膨らみもくぼみも強調します。前腕と手の甲の、血管の浮き出しも同じくします。グランドピアノ一台を軽々と持ち上げられそうな、筋骨たくましい腕を目指して下さい。脚についてもしかりです。西域南天竺国から、遠路はるばる嵩山少林寺までやってきた達磨大師。その脚においては、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋、前脛骨筋、やはり全て膨らみもくぼみも強調します。解剖学的に誤ることは、品質保証の観点からも、絶対に許されません。
 この工程は、一年以上かかることも珍しくありません。

3. 着色をしていきます。まずは胡粉と呼ばれる白い粉を塗り、次に赤い顔料を塗ります。続けて、絵柄と文字です。眉、目、鼻、ひげ、口を描き入れ、「必勝」などの文字を書き込みます。そして最後に、だるまの手足を塗ります。たくましい手足を、ビーチが似合う健康的な小麦色に塗りましょう。片腕当たり三人の水着ギャルがぶら下げられることをイメージできるものにして下さい。絶妙な塗りによってそれをイメージさせられない間は、この先の工程に進めません。
 この工程も、一年以上かかることが珍しくありません。

4. 手足をもぎ取って捨て、ショックでだるまが白目になったのを確認します。

5. 完成したので適当に出荷

 なお、こういう工程を採っている工房は古今一つもありません。

(了)
作品名:だるま 作家名:Dewdrop