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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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続 金曜の夜、人間は二つに分かれる

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『刑務所の中』をみた



 『刑務所の中』をみた、といっても刑務所を見学したわけではない。
『刑務所の中』という映画をDVDで観たのである。
私は今まで、警察や税務署には行ったことがあるが、刑務所には入ったことがない。
警察も税務署も楽しいところではなかったが、刑務所はもっと楽しくないだろうと思う。

 以前の話だが、出身大学の医局員名簿をみて驚いたことがある。
S君という十年ぐらい後輩の「現在の所属」だった。
たいていの人は、「○○大学病院○○科」とか、「△△医院開業」などと書いているが、S君の所属は「□□刑務所」だった。

〈エッ、刑務所? Sが?・・・ そんなことがあるだろうか? でも・・・・・〉
私はS君の顔を思い出した。
〈そうか、あの男のことだから、もしかすると・・・〉と思った。
実際には、S君は、□□刑務所で、医者として受刑者のために働いていたのである。S君には申しわけなかった。