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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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続 金曜の夜、人間は二つに分かれる

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「人間ドック」というところ



 毎週月曜日は「人間ドック」を手伝っている。
検査の結果を対面で説明する。
「ドック」なのだから、たまには犬が来ると嬉しいが、人間しか来ない。

 「ドック」が、ふつうの診療といちばん違うのは、受診者が「健康に自信を持っている」ことだ。
ふつう病院では、健康に自信を持った患者さんはめったに来ない。

 「人間ドック」を受診する目的は、
「病気を見つけてもらいたい」というより、「病気がなくて、健康である」ことを確認したいようだ。

 こちらは、重大な病気を見逃したら、あとで大変なので、
「早期に病気を見つけよう」という気持ちになる。
その上で、何も見つからなければ、少し残念だが
「健康でなによりですね」と帰ってもらうことになる。

 受診者は、健康チェックのために、何万円という高いお金(後でだいぶ返してもらえる)を払う。
この、「病気でもないのに高い金を払う」ことが、受診者の意識に大きな影響を与えるのだろう。
受診者は、「お客様」なのだ。

 私も、「お客様」に失礼のないよう、懇切定年(入力ミスです)ではなく、懇切丁寧に対応している。
何かあると、アンケートに
「面接の医者の態度が悪かった」と書かれて、院長に怒られるからだ。